中編・長編用
□その1
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「切りすぎたかな?どうかな?マルコ。」
「いいんじゃねえか。」
マルコはさほど興味なさげに答えた。
「ちぇっ、つまんないのー」
と言って鏡をしまう女は、別の手で前髪をいじる。
「どんな…」
「え?」
「どんな髪型でもお前はお前だからよい。」
「……だから?」
マルコの言いたいことがわかってか女は薄く笑って言う。
「…野暮なこと聞くなよい。」
苦笑しつつも、マルコは女を抱き寄せるとその唇に自らのそれを重ねた。
「どんなお前も愛してる」
(私も、どんな髪型のマルコも受け止めるよ)
(・・・・俺は切らねぇからな。)
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