中編・長編用
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「珈琲持ってきましたよ。」
「頼んでないよい。」
「隣、いいですか?」
「エースとでも食ってこいよい。」
「馬鹿っ、何で出てきたんだよい!」
「すみません…」
ぶっきらぼうな言葉ばっかりだけど、隊長?私は知ってるんですよ?
隊長が私の珈琲を残したことないのも、エース隊長どころかサッチさんと話しているときでさえ痛いくらいの視線を向けていることも、怪我をした私の目が覚めるまで手を握っていてくれたことも。
…最後のは、サッチさんがこっそり教えてくれたんだけどね。
そういえばサッチさんはもう一つ教えてくれたんだった…
「…何ニヤニヤしてんだよい。」
「いや、サッチさんの話を思い出してまして。」
「…サッチさん、ねい…。」
どうやらサッチさんだけ"さん"付けなのが気に入らないらしい。可愛いよ、もはや。
「サッチ隊長のほうが良いでしょうか?」
「そうだねい…、それじゃあ」
「?」
「変わりに俺を"さん"付けにしろよい。」
「は、」
なにそれ、不意打ちすぎる。
「いいから、そうしろよい!」
若干頬を赤らめている隊長は、なんというか…もう…
「可愛いんですけど。」
隊長、私は待ち受け女なんです。だから私の気が変わらないうちに早く、早く、
ハッキリしてくださいよ!
「お前のほうが可愛いよい。」
ボソッと呟いたその言葉で、私には十分なんですけどね。