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□竹谷の彼女の一生
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学園を卒業すると、はっちゃんは半農半忍になった。
もともとそのつもりだったらしい。
自分と彼女の生まれ育った村に戻って、
畑を耕している。
やはり彼の家には沢山の生き物が集まっていた。
怪我をしていた犬や猫、他にも狼、鷹、毒虫など忍務で連れて行く生き物も育てていた。
どっかの城からの委託で変わりに育てているのもいるらしい。
彼ほどではないが、彼女も生き物には好かれやすいらしい。
たまたま忍務で近くまで来たので顔を出してみると、洗濯物の手伝いを大きな狼がしていた。
「よう、兵助!久しぶりだな!」
学園にいた頃より黒く日焼けをしたはっちゃんが、畑から帰ってきた。
お茶でもっと言うことで、はっちゃんの家にお邪魔した。
しばらく談笑をした後に、実は・・・っと少し照れながらはっちゃんが名無しさんのお腹に赤ちゃんがいると教えてくれた。
「・・・やることはやってるんだな。」
夫婦なんだから当たり前の事だろうが、
はっちゃんと名無しさんを見ていると純粋すぎて・・・なぜが意外だった。
名無しさんは顔を真っ赤にして洗濯物を取りに行くと言って外に出てってしまった。
「名無しさん初すぎて・・・なんだか俺の方が恥ずかしかった。」
「そんな惚気知るかよ・・・おめでとう。」
「おう、ありがとう。もう少し安定したら三郎たち誘って遊びに来いよ。」
「ああ。じゃ、また。」
「またな。」
こぶしをコツンと合わせる。
大きくなれと愛情を。
恵む太陽と母なる大地に新しい命