★aoex-s
□ゴミ箱ガール
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それは雨上がりの午後だった。
藤本は近所を歩いているとゴミ捨て場に一人の少女が座っていた。
不審に思った彼は、彼女に近づき話し掛けた。
「どうしたお嬢ちゃん、そんな所に座ってたら汚れるぜ?」
手を差し出し彼女を手を引き立たせる。
「名前は?」
「…名無しさん…」
「そうか、名無しさんはどうしてココに座ってたんだ?」
俯く彼女の頭を撫でながら聞く。
雨が降っている時から座って居たのだろう。
頭のてっぺんから足先まで濡れていた。
するとポツリと彼女が話始めた。
「捨てられたの。」
「誰にだ?」
まさか両親にか?
最悪なケースを想定した。
「神様…私は神様に捨てられたの。」
「神様?」
話を聞くと彼女は青い夜の生き残りらしい。
そして彼女の両親はその青い夜に亡くなり、その後は親戚と施設をたらい回しにされていた。
「神様は私から何もかも奪っていったんだ!!」
泣きながら彼女は叫ぶ。
「そんな事はないぜ?何たって今お前は生きてる。」
「…こんなの生き地獄だよ…」
「なら、俺が名無しさんを拾ってやるよ。俺の所は拾う神様だぜ。」
ニカッと笑い彼女の手をとり、教会へ歩きだした。
ゴミ箱ガール
彼が私の神様だった。