★aoex-s

□心にメガネ
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ボヤっと移る視界にぐるぐると渦巻く黒い色。
これはなんだろう?
問いかけてみてもその正体は分からなかった。
けたたましい目覚ましの音に起こされれば、目の前に広がるのは自室の天井。

「またか・・・。」

最近よく見る黒い渦の夢。
それと同時に、ピンク色の世界の夢。
両極端が私の夢にでてくる。
なんだろう?よく分からないけどぐるぐると私の中を回るそれ。
あー、ダルい。


教室に入れば、キャーキャーと女の子の声。
その中心には雪男がいる。
中学校の同級生の彼は、トップ合格でイケメンと言う目立つポジションにいる。
・・・本当は小姑並にうるさいんだけどな〜っと彼の外面の良さに感服する。

女の子に囲まれる彼を見てグルグルと何かが私の中を渦巻いた気がした。


ーーー

「ちょっと、名無しさんノート見せて。」

昼休みに彼に声をかけられれば、危うく噛んでいたストローを落としそうになった。

「やばい、明日雪降るよ。雪男だけに。」

「・・・僕だって怒るよ?」

やばい、般若が!般若が光臨してるよ!!
とりあえず、彼にノートを差し出す。

また、何かが私の中を渦巻いた気がした。
真面目にノートを写す彼に少し意見を求めてみてた。

「ねー、最近夢見悪いんだよね。ってか、意味が分からない夢?」

「大抵の夢って意味分からなくない?」

「いや、そうなんだけど・・・なんて言うか、抽象的すぎてさ。」

なんか変なんだよね〜っとうなだれる。

「あ、あれだ雪男を見てると同じような感じだわ。」

「・・・はぁ?」

お!!男前が崩れてるよ!

「うん、なんだろうね〜?」

「・・・盲目ってこのことか。」

「は?私視力2.0だし!!」

「違うんだけどな・・・。」


このもやもやとした気持ちに気づくのはもう少し先で。
今はぽわぽわとこの気持ちに踊っている。



心にめがね
ピントを合わせて君を見る

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