企画モノ

□ジェラシードリンク
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グルグルグルグルと私のお腹の辺りがドス黒い液体が回っている。

原因は腐れ神父。

何よ、私勝ち目の無い恋なんてしてたの?
聞いてしまった貴方が愛おしそうに口にした2人の名前を。
たまに会えたと思ったら、すぐ寝てしまうなんて。
貴方の口にした名前は私じゃない名前。

胸が張り裂けそうだった。
悔しくて、苦しくて、1人で声を殺して泣いた。


そして私はそっと家を出た。


何にも考えたくない。
ただただ宛てもなくボーっと歩き続けた。
途中下級悪魔を何匹も見たが、睨み付けたらどこかへ去ってしまった。

公園のブランコに腰掛けて空を眺める。
あ、今日は七夕だった。
天の川が綺麗だな〜・・・たぶん。
街の明かりで星の光も大分薄くなっている。

「バーッカ。」

嫌いだ、何もかも。

「誰がバカなんだ?」

そこには、数分前までは大好きだった腐れ神父が居た。

「・・・別に、」

「お前が別にって言うときは絶対何かあるんだよ。」

ガシガシと頭を掻き、あくびをする。

「無理して私のところなんかに来なくていいわよ?大事な奥様と子供が待ってるんじゃないの?」

「はぁ?誰にだ?」

白々しい。

「寝言で名前言ってたわよ?そんなに大事なら私と・・・なんで私に愛してるなって言うのよ!!」

ダメだ、もう。グルグルと渦巻いているものがどんどん大きくなっていく。

「愛してるよ、何度でも言ってやる。俺が愛してるのはお前だけだ、織姫。」

滅多に見ることの出来ない真剣な顔の獅郎さん。
そんな目で見ないでよ。
どんどん涙が溢れてくる。
止まれ、止まれ!!

「愛してる、愛してるからそんなに悲しい顔するなよ。」

抱きしめてキスをされる。
ずるい、どうして貴方はそんなにずるいの?


「織姫・・・愛してる。」

「私も、獅郎さんを愛してます。」




ジェラシードリンク
嫉妬の渦に飲まれるほど私は貴方が侵されている


おまけ

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