企画モノ
□君の願い事
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「はい!これでバッチリです☆」
「わぁー!パパありがとう!!」
クルクルと回る織姫。
今日は七夕、折角の夕涼みと言うことでメフィストに浴衣を着せてもらった。
白地に色鮮やかな蝶と花が描かれている。
帯はピンクのグラデーションのクシュクシュ。
髪はお団子に涼しくい簪を付けた。
「兄上これはどうやって着ればいいのですか?」
「めんどくさい奴だな、貸してみろ。」
っと、何だかんだでアマイモンの着付けもすれメフィスト。
「これで織姫ともお揃いです。」
無表情だが何処か嬉しそうなアマイモン。
「みんなでお揃いだね!」
ニコッと笑う織姫を見て思わず頬が緩むメフィスト。
「では、始めましょうか☆」
縁側(ベランダ)に笹を設置し飾り付けをしていく。
最後は3人揃って短冊に願い事を書くだけ。
「何にしようかな〜?」
紙と睨めっこする織姫。
「僕は織姫の彦星になります。」
「彦星に?」
「はい、そうすれば僕と織姫は結ばれます。」
ウキウキと短冊に願い事を書くアマイモン。
即座にそれを破くメフィスト。
「お前に織姫はやらん。寝言は寝て言え。」
「兄上!兄上は僕と織姫を引き裂くつもりですか!?」
「父の勤めだからな。織り姫と彦星の話にピッタリじゃないか。良かったな願いが叶ったぞ。ついでに1年に1回しか合わせなくしてやろうか?むしろ一生がいいか?」
ニヤリと見下すメフィスト。
「兄上酷いです。」
グズグズと泣き出すアマイモン。
「あ、アマ兄!私の願い事も聞いて!」
クイクイっと浴衣を引っ張る織姫。
「織姫の願い事?」
「うん。アマ兄と一緒に美味しいお菓子が食べれますように!」
テヘヘと笑い、明日は美味しいケーキ食べようねとアマイモンに言う。
「織姫の願い事ならなんでも叶えます!明日が楽しみです。」
機嫌を治し織姫を抱きしめるアマイモン。
ヤレヤレと疲れた顔したメフィストに近づくいつの間にかアマイモンから抜け出した織姫。
「パパ、あんまりアマ兄を虐めちゃダメだよ!」
「虐めてるつもりは無いんですがね。」
「もぉー、後ねもう一枚短冊下さい。」
「もう一枚ですか…2つもお願い事ですか?」
「うん。ダメ?」
「ダメではないですが、欲張りさんですね。」
と、短冊を1枚織姫に渡した。
「何を願うんですか?」
「ん〜秘密です☆」
こっそり書く織姫は隠すように笹に2枚の短冊を飾った。
1枚はアマイモンとお願いお菓子を食べる事。
もう1枚は…。
「あっ!流れ星です!」
「アマ兄どこどこ?」
「2人ともかき氷が出来ましたよー。」
「「はーい!」」
織姫とお星様だけの秘密事。
君の願い事
パパのお嫁さんになれますように