企画モノ

□嫁物語
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目を開けると真っ白なドレスに身を包んだ愛娘の織姫。
しかし、今日からはもう娘ではなくなってしまう。
幸せに満ちた彼女の顔を見ていると、私まで幸せになるようだ。

「パパ、じゃなかった・・・メフィストさん、今まで育ててくれてありがとうございました。」

「いいえ、お礼を言いたいのは私のほうです。織姫、綺麗ですよ。」

「メフィストさん。」

恥ずかしそうにブーケで顔を隠す織姫。

ふんわりとセットされた彼女の髪に優しく触れる。

「さて行きましょうか?お姫様。」

彼女の手を取り教会へ向かう。
彼女の意向で式は親しい人のみで行うことになった。
アマイモンは猫の姿で、暴れないように術をかけて上で参加させた。

教会の扉の前。あと少しで扉が開く。

「メフィストさん。私とっても幸せです。小さい頃の夢が叶うんですもの。」

「そうですか。貴女の願いは全て私が叶えてあげます。さぁ、参りましょう。」

賛美歌の音色と共に扉が開く。
一歩一歩とゆっくりとバージンロードを歩く。
アマイモンとセイレーンは一緒にちょこんと座ってる。
あぁ、ゆいちゃんそんなに泣かないで。
燐ちゃんも、ほら雪ちゃん面倒みてあげて。

「織姫綺麗だな。」

「藤本さんありがとうございます。」

神父は藤本さんに頼んだ。

「まさか、こうなるとはな。」

苦笑とでも言うのだろうか、飽きれた笑いを2人に送る。

「織姫後悔はないな?」

「はい、私の夢でしたから。」

「そうか・・・幸せになれよ。」

子供みたいに頭を撫でられる。
手からは優しい温もりを感じた。

「今までも幸せでしたから、これからも幸せに決まってますよ。」

いたずらっぽく笑い返す。

「ったく、じゃー始めんぞ。」

新婦:天川織姫
新郎:メフィスト・フェレス



これは、いつかの未来の話。
本当に来るかは分からない、未来の一部。
ほんの少しの幸せを・・・





嫁物語
貴方だけのお姫さま。
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