企画モノ

□緑にお願い
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「織姫ちゃん!!いらっしゃい!!」

「基ちゃんお久しぶりだね!また可愛くなってる!」

井浦家の玄関を空けると基ちゃんが抱きついてきた。

「基離せー!織姫俺のだ!!」

ドーンッと仁王立ちしてるのが私の彼氏で、基ちゃんの兄の秀。

「ねー織姫ちゃん。どうしてお兄ちゃんと付き合ってるの?」

「えっ?」

「基ー!!」

珍しくお家でも騒がしいな〜っと呑気に思う私から秀は基ちゃんを離した。

「お前時間大丈夫なのか?」

「あっ!忘れてた!織姫ちゃん、またね!」

「いってらっしゃい。」

ニコニコと手を振りながら見送ると、ため息と共に今度は秀が抱き着いてきた。

「どうしたの?」

よしよしと頭を撫でる。

「織姫、俺に会いに来たんじゃないのかよー。」

頬を膨らませ、嫉妬心剥き出し。

「もぉー、秀に会いに来たんだよ?天の川を渡って。」

なんてねっとおどけて見せた。

「俺が彦星だったら、絶対に向こう岸なんかに帰さないんだけどな〜。」

抱きしめる力が強くなる。

「織姫…。」

彼の手が私の頬に触れる…。

「どーでも良いけど、早く家の中に入りなさい!玄関開けっ放しだと虫入るでしょ!」

「!母さん!!」

「あ、お邪魔します。」

お母さんの出現により、未遂行為で終わる秀くんなのでした。




「来年は二人がいいうら…。」

お星さまは叶えてくれるでしょうか?





緑にお願い
家族が邪魔しませんように
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