企画モノ

□クロスカウンター
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「好き、嫌い、好き、嫌い…」

「ちょっと織姫、辛気臭い。ウザイ、ジメジメするから黙って。」

「出雲酷くね?」

真夏の昼下がり、クーラーの効かない教室でウダウダと花占いをしていた。

「!!雪ー!今日の夜食べに行っていい?」

窓の外に黒子メガネ…もとい、雪男を見つけて声をかける。

「織姫!大声恥ずかしいから!兄さんに伝えとく、待ってるよ!」

思わず頬が緩み、ヘラヘラ〜っと笑いながら手を振った。

教室の女子から嫉妬の視線を感じるが気にしない。

「結局あんた達って付き合ってるの?」

視線と行動に飽きれ気味の出雲。

「へぇ?付き合ってないよ?」

「…好きなんじゃないの?」

「雪の事は好きだよ?もー超LOVEだけど?」

やだー恥ずかしい〜なんて言ったら、殴られた。

「好きなら付き合えばいいじゃない。」

ため息混じりに私を見下す。(物理的に)

「だ、だって雪はきっと私の事好きじゃないし…」

「鈍感過ぎるでしょ。」
小声で呟く出雲。

「え?なんか言った?」

「なんにもー、ほら授業始まるわよ。」




「奥村先生、」

「なんですか?」

珍しく雪男に話し掛ける出雲。
遠目でボーッと眺める。
小声で話す2人の会話は私には聞こえない。
すると、真っ赤になって逃げるように教室を出る雪。

「出雲ー、雪と何話したの?」

ちょっとした嫉妬心からの質問。

「大した事じゃないわよ。鈍感娘。」

「鈍感?」

なんでー?っと出雲に付き纏う。


「ありゃー出雲ちゃん大変やわ。」

「なんでですか?」

「子猫さん、クロスカウンターって知ってはります?」

「はい。」

「奥村先生と織姫ちゃんは恋愛的クロスカウンターなんよ。」

ま〜、ダメージは自分らやなく他人にいってますけどね〜っとヘラヘラした口調で話す志摩。




クロスカウンター
いつだって両想い
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