企画モノ

□土足も礼儀のうち
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「ハハハ〜、燐面白い!ってか、尻尾触りたい!!」

「織姫やめろぉおおぉ!!」

・・・なんやねん。

「燐!!コレ美味しい!!ちょっと!聞いてる?」

「おっ・・・ま、尻尾、はなっせ!」

「何喘いでるの?やらしいなぁ〜。」

ちっ!

「おい!織姫!!何しとんねん!?」

「何って、燐で遊んでるんだよ?」

盛大に舌打ちをして、怒鳴る彼氏勝呂竜士。
そんな怒りをひらりとかわす彼女天川織姫。

そして、それを取り巻くその他大勢。

「なにそんなに怒ってんのよ?自分が構ってもらえないから?ほら、よーしよーしっ。」

いい子いい子と竜士の頭を撫でる。
満更でもなく頬を赤くする。

「って、ちゃうわ!!なんでソイツ「燐!」…奥村と仲良うしとるん?!」

イライラのメーターがとっくの前に吹っ切れている竜士。
そのイライラを無視する織姫。
気の強い二人はよく喧嘩をするので、教室の生徒達はまたかっと言う態度をとる。
だが、それは夏休み前の話しだ。
あの事件以降少しソワソワとした空気になっていた。
しかし、織姫は飄々と今まで通り、むしろ今まで以上に燐と接していた。
魔神の子と言うのでもイライラしていた竜士だが、それに加え彼女が自分に構ってくれなくなり何もかもが面白く無くなっていた。

「なんでって、友達だからだよ?」

「友達…」

織姫の言葉にピクリと反応するしえみ。

「そいつ危険なんやぞ?」

織姫の腕を掴み、自分の方に引っ張ろうとする。
しかし、バシッと腕を払われてしまう。

「危険じゃないよ!燐は燐だもん!竜士の分からず屋ー!」

教室を出ていく織姫。

「織姫!!」

それを追い掛けようとする燐の肩を掴み静止させる勝呂。

「お前には関係ない、織姫に近づくな。」

「っ!俺は、っておい!」

彼の言葉も聞かず教室を出ていく。





「やっぱりここかいな。」

「…竜士…、何しに来たのよ?」

目が赤くなっている。
きっとあの後泣いたのだろう。
屋上のフェンスに寄り掛かる様に座る織姫と勝呂。

「なぁ、なんでアイ…奥村に構うん?」

「なんでって、友達だからって言ったでしょ?」

「せやけど、魔神の子なんやぞ?」
「…なら、うちやって祟られてる子や。なぁ、うちは危険?」

祟られてる子、織姫は地元でそう言われていた。
彼女が触れたものは命が奪われる。
誰かが流した心ない噂で彼女は危険物扱いされていた。

「あほ、織姫は危険やない。いくら抱きしめても俺は命奪われないやろ?」

「うん、なら燐だって同じやない?」

「…ちゃうわ「違うくない!」織姫。」

違くないもんっと、勝呂に泣きつく。


「…すまん、俺はまだ整理しきれとらん…。受け入れられとらんのや。」

「うん…大丈夫だよ、竜士なら。燐を受け入れられる。」

へへへっと涙顔で笑う織姫。

「…今日はお好み焼き食べて帰ろか?」

「うん!」

ほらと、ハンカチを私の顔に押し付け、手を取って歩く竜士。

早く燐と仲直り出来たらいいな!














土足も礼儀のうち
ズカズカと心に上がり込む
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