企画モノ

□赤い糸
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小さな頃から約束していた。

「大きくなったら結婚しよう。」

それは、小さな私と小さな君の小さな夢。

「待ってよ!兵助。」

小さかった君はいつの間にか大きくなって、
私じゃない女の子と歩いていた。

チクリチクリと心が痛くなる。
チクリ?そんなもんじゃない。
憎い、苦しい、辛い。
そんな負の感情が私を支配する。

「兵助!」

私が声を掛けると、女の子の顔が歪む。
だって、兵助は私の方に嬉しそうに走ってくるんだもの。

「織姫姉!」

「女の子には優しくしなきゃだめだよ?」

「うん、けどさ・・・」

こっそりと呟く兵助の言葉に先ほどの感情がバカらしくなってしまった。
愛しい愛しい、私の弟。
それは、彼も同じ事だったみたい。

赤い糸?複雑に絡み合って、禁忌を紡ぐ。
だって、あれは彼女じゃないもん。
愛してるよ織姫。
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