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□赤い糸?それは皮肉な運命の糸でした。※
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学生の頃から好きだった。
恥ずかしかったけど、卒業式に告白して私は去った。
返事なんてもらってない。
貰って相思相愛だったらこれ以上悲しいことはないから。
だって、私たちは別々の城へ就職したでしょ?
いつ戦場で会うかなんてわかないし、いつ死ぬかなんて分からない。
だから、思いだけ告げて貴方の前から姿を消すの。


「・・・どうしてなんだろうね?」

神様私は初めて貴方の存在を信じました。

「竹谷・・・。」

「名無しさん・・・。」

鉄のにおいと火薬のにおい、そして貴方のにおい。

「会いたくなかった。」

「俺も・・・。なぁ、名無しさん。俺もお前のこと好きだよ。」

「・・・ありがとう。」

ぐらりと揺れる。
私の思いと、私の体。
胸元がジワリと温かくなる。

「殺してくれたのが竹谷でよかった。」

「ごめんな、来世で会おう。」

「うん、待てる。」

皮肉なものよね、私と貴方の小指についていると信じていた赤い糸がこんな運命だなんて。

血に染まった赤い糸。


赤い糸は強く強く結ばれた。

お願いだから泣かないで?

あぁ来世が恋しい。



赤い糸?それは皮肉な運命の糸でした。
さよなら私の愛。
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