短編
□Late Letter―宛先不明な君へ― 【完】
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君が笑っている顔が好きだ、ってそんな恥ずかしいこと言われても、
何にもでないんだよ?
って返しちゃう私は過去最高の笑顔でした。
君の怒ってる顔が見たいなんて、そんな難しいこと言われても
何にも怒ってないよ?
って返しちゃう私は、内心とっても怒ってました。
君の気持ちが知りたいなんて、そんな恥ずかしいこと言われても
私の答えはもう......君に伝わることはない。
「その髪型いいね!どこの美容室?」
高校一年。
初のクラス顔合わせの日、一番に話しかけた君。
「......うぅん。癖毛なの」
と自分のくるんな髪の毛を恨めしそうに眺める私に、
「天パか!かっけー」
とずれた観点な感想を述べてくれた君に、「ありがとう」って言えなくて
「俺と一緒に回ろうか?」
一人の私に優しい君は私の手をとり強引に、あの文化祭は君がいて私がいたのに、
「ありがとう」って言えなくて
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