短編

□Late Letter―宛先不明な君へ― 【完】
1ページ/2ページ




君が笑っている顔が好きだ、ってそんな恥ずかしいこと言われても、

何にもでないんだよ?

って返しちゃう私は過去最高の笑顔でした。



君の怒ってる顔が見たいなんて、そんな難しいこと言われても

何にも怒ってないよ?

って返しちゃう私は、内心とっても怒ってました。




君の気持ちが知りたいなんて、そんな恥ずかしいこと言われても


私の答えはもう......君に伝わることはない。



「その髪型いいね!どこの美容室?」



高校一年。

初のクラス顔合わせの日、一番に話しかけた君。


「......うぅん。癖毛なの」


と自分のくるんな髪の毛を恨めしそうに眺める私に、


「天パか!かっけー」


とずれた観点な感想を述べてくれた君に、「ありがとう」って言えなくて


「俺と一緒に回ろうか?」


一人の私に優しい君は私の手をとり強引に、あの文化祭は君がいて私がいたのに、


「ありがとう」って言えなくて


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ