ジェミニ§ストーム

□プロローグ
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季節は暖かな春
出逢いと別れの交わる時

私、杉原涼花は新な一歩を踏み出そうとしていた




『ここが、早乙女学園…』



大きな門を前にただ口をあんぐりと開け、立ち尽くすことしかできない私


そう、今日は高校の入学式
この春、私はあの超難関のアイドル育成校早乙女学園に奇跡的に合格したのだ!

…あっ、もちろんアイドルコースなんかではなくて私は作曲家志望



本当に合格通知が届いた時は跳び跳ねるほど嬉しかったよ!

そう…嬉しかったよ、うん

ただ……



『Gクラスって……なんなのさぁああああッ!!!』




私は合格通知を握りしめ、思わずふるふると肩を震わせながら思い切り叫んだ
その紙にはしっかりと「Gクラス」と記されている


実はなんと…自分のクラスが入試説明会で紹介されなかった謎のクラスだったのだ

早乙女学園はS、A、B…などと実力順にクラス訳されるはずだ
その方式からいくとGクラスって…やっぱり落ちこぼれクラス?

ハッ、まさか…ゴキ●リ!?
ゴ●ブリクラスなのかッ!!




『嘘…私そんなにバカだった?それとも曲が…?』



学園校舎を前にしてますます薄れていく自信

…イヤ、でもまだ●キブリクラスだと決まった訳じゃないし…
私はそう自分に言い聞かせ、学園内へとゆっくり足を踏み入れた…






++++++++




『ふわぁ〜…!!』



早速入学式が行われる講堂に来た私
その講堂の大きさはもちろん同じ新入生の方々の気迫に圧倒されていた

やっぱり流石アイドル育成学校…オ、オーラが違う…



「ねぇ、あの人HAYATO様じゃない!?」

「キャー!本物よ、行きましょうッ!!」



ドンッ……

『あたっ…!?』



何かに気をとられ走り去る女子達に思い切り後ろからアタックされてしまった

当の本人たちは謝りもせずそそくさと目的の何かに駆け寄っている


あぁ、もう…イタタタッ

打ち付けた腰を軽く擦りながらゆっくり立ち上がろうと足に力を入れる




その時


?「テメェ、邪魔だ…そんなとこで立ち止まッ点じゃねぇッ」

『………っ!?』



突然後ろから投げ掛けられた暴言に思わず肩を竦める

ゆっくりと後ろを振り替えるとそこにいたのは…




砂「…なに見てんだよ」

『ひぃいいっ!!』



鋭い目付きに似合わずふわふわとした髪質をしていらっしゃる怖そうな青年が…

あわわ、めっちゃ睨んでる…!
青年の睨みに思わず固まってしまう私、恐怖のあまり動くことすらままなからかった


…その時、青年さんの後ろから何か人影が見えて…




那「もう、さっちゃん!何してるんですか!!」

砂「チッ…那月か…ってうをぉ!?」



ドガシッ…と物凄い勢いでさっちゃんさん(?)に抱きつく那月さんという人物


まぁ、それはいいんだけれど…それでよろけたさっちゃんさんが何かこっちに近づいて来てるんですけど…

これはもしかして…イヤ、もしかしなくてもぶつか…ッ




どて――――んッ!!


講堂内に大きな音が響く
それと共に神経に伝わる鋭い痛み


あぁ…初日から人にぶつかりすぎだろ私、なんかもう大丈夫かな…
そんなことを思いながら、私の意識はフェードアウトした…





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