短編

□狼さんはクーツンデレ
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世の中にはツンデレやヤンデレ
はたまたクーデレなんてものがありますが…


私の彼氏はクーツンデレです。







『ねーねー、トキヤー!』


「………。」


『トキヤってば!』


「……………。」





今日は恋人であるトキヤのお家で初めてのお泊まり!

ドキがムネムネしている私なんですが…とうのトキヤ様は優雅に読書中です


…………………。


なにコレ、苛め?









『あの、トキヤさーん!?』

「………。」


『トーキーヤーッ!!』


「……ハァ、なんですか…」


『本ばっかりじゃなくて少しは私も構ってくれたって「断ります」ヒドッ、せめて全部言わせてよ(泣)!』


「全く…少しは大人しくできないんですか」


『…だってせっかくのお泊まりなのにさ……』


「元はと言えば貴方が無理矢理に泊まると言い張っただけでしょう」


『……そうだけど』






キッパリと本当のことを言われてしまい思わず押し黙ってしまう


こういうのは慣れたことだけど…たまにふと不安になるんだ

トキヤは…私のこと好きじゃないの、かな?



だって付き合ってからそこそこ経ってるのに外でのデートは付き合う前と全く変わらないし

二人っきりの時もキス止まりだし……



ヤバイ、考えたら考えるほど泣きそうになるわ

…気分転換にお風呂でも入ろっかな









『トキヤ、お風呂借りるね』


「…どうぞ」


『……………。』






なんだかいつもより素っ気ない返事
こちらに見向きさえもしない


私はグッと唇を噛みしめながら洗面所へと向かった…










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