短編

□♂ですから
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今日は寮の俺の部屋で名無しと一緒に勉強会をする日である


いつもなら同室の那月が毎回毎回茶々を入れてくるのだが…






「翔ちゃん、今日は僕1日外出してるから」

「おう、分かった」

「うん!だから頑張ってね!!」


「…………は?」





…まぁ、こんなことを今朝急に言われて1日那月がいないということが判明した


ん…?ていうことはつつつつまり……二人っきり?


…うっ、うわぁあああッ!?!?











『…ねぇ、翔ちゃん?
翔ちゃんってば……!!』


「うぉ…!!」




動揺を隠しきれず自分の世界に迷い込んでいた俺の意識を引き戻したのは俺がこうなった一番の原因でもある…名無しだ


名無しはそんな俺のことを不思議そうな顔で見つめている

だがそんな表情でさえ今の俺にとってはかなり危険だ…



だだだだって、俺も立派な男だし…!!
大好きな彼女前にして二人っきりでとか…耐えろっつう方が無理な話だろ!?






………しかも




「(なんでコイツはこういう日に限って短パンとかはいてくんだよっ!!)」





これはヤバイ
冗談抜きでヤバイ

俺、理性もつ自信がない


フライパン1つでシャイニング早乙女とタイマンするくらいのレベルでヤバイ










『ねぇ、翔ちゃん…本当に今日はどうしちゃったの?』




うぉおおおおッ!!!
上目遣い止めろぉおおッ!!

そんな可愛い顔されたら……クソッ、これじゃ俺ただの変態じゃねぇか


イヤでも、こんな状況と名無しを目の前して正常でいられるわけねぇだろ

とりあえず俺様には絶対に無理だ






そんなことを考えていたら…




ぴとっ…



「………っ!?」


『んー…熱はないみたいだしなぁ』





突然、額に触れた冷たいもの
それは間違いなく名無しの手で…


えっ、ちょ…なにこの状況









「なっ…名無し?」


『翔ちゃん、顔真っ赤だよ?さっきからボーっしてるし…』





そう言いながら『んー?』と首を傾げる名無し


ヤバイヤバイヤバイヤバイ

もうむしろ顔を真っ赤にしていた熱が全部下半身に移動して…あばばばばっ










「…もっ……無理だ」


『へっ……?』





俺のいきなりのその言葉に目を丸くする名無し

でも今の俺にそれを気にしている余裕はない


ごめん、名無し!!!
恨むなら俺らを二人っきりにした那月を恨め!!











『きゃっ……しょ、翔ちゃん…?』



「ごめん…優しくするから」


『は……ってちょ!!!』









あぁ…俺、セーブできっかな


そんなことを思いながら俺は名無しにキスをした

























♂ですから

(こうして俺は)(DTを卒業した)




end
 

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