雪ノ欠片
□第2
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―ガタッ
うずくまって眠っていた優香は引き戸の開く音で目を覚ます
どのくらい経ったのだろう…
音のしたほうを見ると、月明かりと共にちょんまげ頭の男が一人中に入っていた
(…やばい!)
男は優香に気づいていないみたいで、居間の端に置いてあった行灯に火をともす
柔らかい光が部屋を照らす
体育座りのまま固まっている優香に気づいた男は
「うわぁ!!」
と声を上げたが、すぐさま刀を抜き優香に向ける
『待って!!』
「…女…?」
反射的に優香は両手を上げ立ち上がる
『何もしません!勝手に家に上がりこんでごめんなさい!話を聞いて欲しいんです!!』
必死になって訴えた
男はしばらく無言で睨み付けていた
「…面妖わった格好をば致しているな…メリケンの者か?」
『…メリケン?』
不思議がっている優香に、違うのかと言うと、刀を鞘に納めながら囲炉裏の側に座った
「そこへ座れ。話を聞こう」
囲炉裏の向かい側を指しながら優香に声をかけた