雪ノ欠片
□第9
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(・・・元の・・・世界に、戻らなきゃ・・・けど、もう少し・・・だけ・・・連休、中は・・・も少し、だけ・・・)
「・・・ちゃん・・・優香ちゃん・・・」
『・・・も、少し・・・』
「・・・僕は構わないけど・・・お昼ご飯、食べられなくなっちゃうよ?」
『・・・ごは・・ん・・・』
「・・・・ちなみに今・・・君、襲われても文句いえない格好してるから、早く起きた方がいいと思うんだけど?」
『・・・・・・・ん・・・・』
優香はゆっくりと目を開ける
瞳に映ったのは沖田の顔だった
「おはよう」
『・・・・・・・おはよう、ございま・・・す』
「・・・・誘ってくれてるの?」
沖田がにっこりと微笑む
『・・・さそ・・・?』
優香は沖田の視線の先を確認する
『―――っ!!?!!』
慌てて掛け布団を手繰り寄せる
日が昇り暑かったのか、布団は一部しか掛かっておらず
着馴れぬ少し大きい寝間着は見事に肌蹴、色白な胸元と太ももが顔を覗かせていた
「・・・隠しちゃうんだ?」
『・・・あ、あ、あたりまえですっ!?』
真っ赤になってアワアワしている優香を沖田はクスッと笑う
「ご飯、食べるよね?」
優香はぶんぶんと首を縦に振る
「着替えたら出ておいで」
そう言うと沖田は部屋の外へ出た
沖田の背中を見送った優香は、そ〜っと自分の身体を確認する
(・・・ぽろりは・・・してなかったよね・・・?)
優香は泣きそうになりながら溜め息をつき
急いで着替え始める
が、やはり着物は上手くは着れない
悪戦苦闘していると障子の向こうから沖田の声
「優香ちゃんー?まーだー?」
『す、すみませんっ!も、少し・・・』