Runaway train

□…
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「涼太、熱でもあるのか?」

「もお〜赤司っち、そんな目で見ないで下さい。寧ろ元気っす」


今ならば空も飛べそうな気がする。と言うのは些か言い過ぎかもしれないが、確かに今の黄瀬は自分でもわかるくらいに絶好調。力が漲ってしょうがない。

それが周りにも伝わったのか、かなり奇怪な物でも見るような目で赤司が見てきたが、黄瀬の返事に呆れたようで、またすぐに持ち場に戻って行くのだった。


「あの赤司くんに心配されるなんて、よっぽどですね」

「黄瀬ちん、いい加減ニヤニヤするのやめなきゃ、赤ちんに帰れって言われるよ」

「ええ、いつもより真面目じゃないっすか」

「見ているこっちが集中できないのだよ。全く、気持ち悪い」


今なら何を言われてもスルーできる気がした。
何たって今日は、映画の直前打ち合わせの日。つまり、千鶴に会える。
あの日、決めたのだ。彼女を落としてみせると。
それはある意味俺の中で、ただの遊びであり、暇つぶしともいえるもの。


「いいじゃねえか。俺は黄瀬の調子が良いならそれでいい」

「わかってくれます?青峰っち」

「さっさと1on1すっぞ」

「は〜い」


今日の俺は、上機嫌だ。
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