Runaway train

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約束だったので、しょうがなく今まで背もたれにしていたベッドの下を覗き込み、我ながら器用にエロ本を出す。
罪に溺れた保健室、ベタベタと言えばそれまでの本。
それを片手に、ベッドに腰掛け、大っぴらに開けた足の間をぱしぱし叩き、座るように促す。


「ここ、座って」

「う、うん」


尚も顔を赤らめている先輩は、遠慮気味に座る。改めて小さいな、なんて感慨深く思いつつ、腕を先輩の前に回す。勿論、右手にエロ本を持って。


「罪に溺れた保健室…すごい名前だね」

「だいたいエロ本てこんなッスよ」

「そうなんだ」


そう納得する先輩の肩に顔を置いて、表紙から既に際どいそれを捲る。


「わーお」


そんな呑気にしてられる先輩が意外だ。てっきり勝手なイメージで、真っ先に顔を赤らめて閉じて閉じてって言うタイプだと思ったから、新鮮だ。
このモデルさん美人、とか言うけど、あんたのが美人だわ。


「凄いね、もはや服としての意味を成してないよ」


そう指すのは、一枚羽織っただけで、中は何も着ていない、というボロボロの白衣。
保健室という題名通り、この本は保健室の先生で溢れ返っている。
裂けた白衣の隙間から覗く胸の頂きが真ピンクで、ビンビンに勃ち上がっているのにどうしても目がいってしまうのはしょうがないこと。
M字に開かれて包帯で固定された足も妖艶だ。
どうか先輩は、18歳になってもこういう仕事はしてほしくない。とびきりセンスはありそうだけども。


「次、捲りますよ」

「おっけー」


ノリノリな先輩はもはや止められない。ページを捲ると、次は大きく激しく男女が重なる写真。それには、今までのノリはどこえやら、彼女は俯いてしまった。


「どうしたんスか?男が入ると駄目?」

「吃驚、した…」


まあ流石に無理もないと思う。しっかりと下腹部の接合部分も写っているのだから。
よく青峰っちも、モザイクなしのここまでのを買ったと思う。まあ確かに見た目彼は大人っぽいが。
それにしても、耳まで真っ赤っ赤な彼女がとてつもなく


「可愛い」

「うん。可愛い、このモデルさん」

「じゃなくて、」

「じゃなくてってまさか男の方?」

「違う」

「ですよね」

「なまえ、」


そう先輩でもなくなまえさんでもなく呼んでみて、彼女をベッドに押し倒す。
俺が悪いんじゃない。男の部屋に来るってそういうことなの。
13|03[逢い引き]

 

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