「えええぇ…嫌だ、無理。ここでカミングアウトするけど、私人見知りだから無理｣ 「なぁ頼むよ。いや、俺だって嫌なんだって。なまえちゃんが該当者だってバレるのも気が引けるし、相手が相手だしさー。でも、どう考えてもこればっかりはなまえちゃんしか駄目なんだ。な？俺を助けると思ってさ！｣ 「むーりー！｣ 「だからさ、連れて来るからって約束したから真ちゃん来たんだぜ？来なかったら帰るぜ、アイツ｣ 「だってさ、何それ…｣ 「「馬鹿力な女」｣ 「いやー、なまえちゃん以上に当てはまる女身近にいないから。な？自分の生まれた意味だと思って｣ 「嫌だそんなの｣ 今日の蟹座の、おは朝のラッキーアイテムは、"馬鹿力な女"、らしい。下手打ったら喧嘩にもなりかねないラッキーアイテム（アイテム扱いでいいの？）が見当たらず、緑間氏はずっと探し回っていて、練習試合のある今日、学校に顔を見せなかったという。 それで、先輩や監督にどうにかしろと頼まれたアシタカが、仕方なく私をダシに緑間氏を連れ出した、と。アシタカが不憫過ぎる。 「…マンゴープリンで手を打とう｣ 「よしきた、そうと決まれば行くぞ！｣ 「えええぇ…もう行くのかい？｣ 「男に二言はないだろ？｣ 「ないでーす！｣ 「いや、せめて今日は否定しようぜ？仮にも馬鹿力な"女"なんだから。俺の希望を保たせてくれ｣ 腕を引かれ、校門から体育館へと向かう。もう私、緊張でどうにかなりそうです。 |