Runaway train

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朝っぱらから電話してきたのは、昨日登録したばかりのアシタカだった。それは稽古中だったようで、終わってシャワーまで浴びた今、気付いた私は折り返し電話していた。そして彼は、なんとたった一回のコールで出る。


『なまえちゃん、稽古終わった?』

「うん、さっき」

『暇?いや、暇だよな』

「あ、はい(決め付けられた)」

『じゃあすぐ学校の体育館来て』

「え、何で」

『兎に角急ぎでほら!』

「おい、ちょっと!」


切られちゃった。まあ、暇なのは否定出来ないし、学校なら行こうかな。素早く制服を着て、廊下へと出て、玄関へと急ぐ。


「おい、お嬢どこ行くんだよ。謙吾とすみれにゲーム誘われたからお嬢も入れてやっても…」

「学校行くの!ああでもゲームいいな!帰ったら混ぜて!」

「おうよ!」


ゲームへの妄想に花を咲かせながら靴を履き、急いで駆け出す。
ここから私の、とても忙しい日曜日が始まる。

 

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