何かから逃げ続ける少女がいた それが何かなんて 少女自身が一番理解していないながら ただひたすらに、走っていた 『僕は絶対に君に会いにくるよ』 その言葉を、信じていたから 心の奥底で、恐怖に怯える少年がいた 何もかもを閉ざした彼は 自らの部屋に籠もり、自身の名である "光"を求めていた 『なら、私は死んだほうがましだね』 今も頭の片隅に、その光景を見ながら 自責の念に押し潰されそうな少年は 未だに過去の選択を悔やんでいる そんな感情さえも押し込めて 嘘に嘘を重ね続けて何かを見失った 『お前が家族を守るんだ』 常に守るべき何かを探し求めて 引け目を感じ、溝をつくった少年は 自分の幸せを憎んでいた 救いたい。そしてまた あの頃みたいに屈託なく笑い合いたい 『君が気に負うこともないのに』 その優しさは首を締め付けて離さない Spunk |