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□雪/幻/灰/天/空/空/空/空
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おまけ
NG集的な。


冷たい風が吹き抜けて。

くちゅん!

と、一度。

小さなくしゃみの音がした。

レンに背を向けて歩き出したはずの櫂は、はた、と足を止めて振り返る。

くしゅ、くしゅ、と、座り込んだレンはくしゃみを繰り返した。

「むー、寒いのに、ぼんやり顔が熱いです」

「ちょ、……お前は丈夫な方じゃないんだから、身体を冷やすなといつも言っているだろう!」

冬場は外でしたがるなと、前にも注意したな?!

櫂は鉄骨の上を大股で進んで、とりあえずコートの前を合わせてやる。
自らのマフラーを外して、いかにも寒そうに露出した、レンの首元から鎖骨のあたりを、ぐるぐる巻きにした。

「可愛い櫂が悪いんだよ、」

艶めいた流し目で、レンは見つめて来る。
が。

「格好よく言うところじゃない!」

べくしッ!

レンはまた一度、盛大にくしゃみをして。

「放置されたらしにますよね」

額に触れると、はっきりと手のひらが発熱を伝えた。

ばったり、と口で言いながら、レンは櫂に凭れかかって来る。

「下まで抱えて行ってやるから、早く帰って寝ろ」

自分より背の高い男にするもんじゃないよな、と自己ツッコミを入れながらも、櫂はレンを横抱きに抱え上げた。

「お姫様抱っこです」

「喜ぶな」

建築中のビルから降りると、少し風が弱くなる。

「そうそう、お腹が空いたけど、家には食べるものがなにもないんだよ」

「どうせそうだろうと思った。材料もないな?先に送ってやるから、寝て待っていろ」

「櫂のつくってくれるご飯は、すきです」

寄り分けられないように、すりおろしたニンジンを入れてやろう。
レンは野菜を残すからな。

俺が去ったら、テツが何もかも独りでやるのか。

溜息をひとつついて、櫂は空を見上げた。
天をつく高層ビルと、腕の中の少年は、ひどく不釣り合いな気がする。

これっきりだからな、と言ってはみたが、レンは笑って、まるきり聞いていないようだった。






今週の放映(50話)で、櫂くんとレンくんの過去が、オフィシャルでどうなのかってことが判明します!
(追記;判明しませんでしたァァァ!!)

その前にだけ書ける、捏造過去の、最後の一本をやりたかったです。
……いやごめん、本当にやりたかったのは、レン櫂えっちーのです。

もう悔いはない!
やりきった(笑)

49話で倒れたレンくんを櫂くんが抱きとめた後、そのままそこでやっちゃったっていうか、やられちゃったと、皆思ったはず!
真冬の高層ビル建築現場、あきらかに寒いけどそこは愛。

櫂レンかレン櫂か、最後まで悩んだけど、うち、レンくん攻でなんかキャラ立てちゃってて、なかなか受として扱えません;
こんな駄目子な攻キャラを書くのは初めてで、すごい手探りです。

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