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□きみとあそぶ夜に
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3*(inside)R18
ツナとカニカマと卵を、レタスと一緒に巻いたら、レンがとても喜んだ。
甘く煮た干瓢やさくらでんぶは、好きそうに見えて、実は好きではない。
櫂は知っているから、勿論入れなかった。
わかめの澄まし汁にカラフルな毬の形の麩を浮かべたら、子供の頃みたいに瞳が輝く。
こうしていると、レンはとてもわかりやすい。
何もかもわからない、と背を向けたことが、嘘だったみたいに。
櫂が皿を洗っている間に、レンは残った食材にラップをかけたり、調味料を棚に戻したりしている。
皿を洗わせると割る危険が高いし、刃物は危なっかしくて持たせられないし。
基本的に手先が不器用なレンを、櫂はそれでも上手く使えるようになっていた。
片付けまで済むと、レンが待ち構えたように豆を投げて来る。
片付けを澄ますまでは攻撃してこなかった時点で、まぁ、
(大人になったものだ)
櫂は感慨深げに、溜息を吐いた。
しかし、全力で投げた豆が頬に直撃したら、結構痛い。
櫂も、早速応戦する。
どうせ暴れたがると予想して、あらかじめ豆は一人に一袋ずつ用意していた。
扉の陰に身を寄せて、家具の裏側から、相手の隙を見ては、豆をぶつけ合う。
鬼は外だの福は内だのは、既に関係がなかった。
逃げるレンを廊下へと追いつめると、袋小路を承知か否か、そのまま風呂場へと姿を消す。
櫂は真正面からの大量投擲を喰らわぬよう慎重に、トイレの扉を開け放って盾にしながら、風呂場へと近づいて行った。
洗面所の入り口を覗いながら、背を壁に預けてそろそろと進む。
レンのマンションのように狂った広さはない、ごく普通のワンルームである。
ここまで来たら、レンの待ち構える風呂場までは、駆け抜けて二秒。
櫂は手のひらに豆を握りながら、一気に接近した。
「……捕まえた」
開けた視野に、在るはずの姿がない。
訝しんだ櫂の腕を、レンは横から引く。
「何、……ッ?!」
空っぽの風呂桶の中に隠れていたようだ、と判断出来る頃には、とうに櫂の身体はレンの腕の中だった。
「櫂を連れ込みたくて、待ち伏せしていました。まんまと引っ掛かるとは、素直で本当に可愛いね」
乾いた壁に、背を押しつけられる。
レンは、そのまま一度キスをして。
櫂が受け入れれば、角度を変えて、幾度も幾度も唇を合わせた。
調理に中断された先程の続きとばかりに、くちづけはやがて位置を変えて。
額。
頬。
耳。
首。
……ずっと、下まで。
きっちりと首元まで留め直したはずのボタンは、今またあっさりと外されてゆく。
はだけた胸元に、つめたくなった指先が伝った。
ひやりと異質なその温度差が、かえって櫂の膚を粟立てる。
「つめたい?」
「……べつに、」
口づけの合間に、甘い声が問う。
その間にもレンの指は、胸板の上から脇腹へと撫で降りていた。
そろりと優しい癖に、的確に欲を煽る動きだった。
櫂は、片手でレンの背を抱いて。
いま一方の手を、口元に運ぶ。
自らの指を、かり、と噛んで、声を抑えた。
レンの手は無遠慮に降りて、布地の上から内腿を這う。
今度は、下から上へ。
脚の付け根ぎりぎりのところまでゆくと、不意に離れた。
そうして今一度、同じ動きをして。
ぎりぎりで、止まる。
レンは櫂の反応を覗うみたいに、視線を合わせた。
「……ほら、どうして欲しいの、」
「ッ、……ちゃんと、しろ」
「ちゃんとって、どういうことかな?」
つい、と、指先が向きを変える。
更に過敏な内側へと、僅かだけれど侵入して。
また、手が止まった。
「焦らすな。時間がない」
低く作ってはいるけれど、既に吐息混じりの声に。
「……ああ、予習があるんだっけ。情緒がないなぁ」
レンは呟きながら、櫂のベルトに手をかけた。
片手で器用に解きながら、自らの腰を押し付けて、揶揄することも忘れない。
「ね、櫂……もう、あつくなってるよ……」
下着の中で質量を増したソコは、膝を割ったレンの太腿に圧迫されて、ますます大きく固くなってゆく。
しかしそれ以上嬲ることはせず、レンは一気に下着ごと、櫂の下半身を剥いた。
すっかり勃ち上がった性器が、ぶるりと震える。
その初々しい肉茎の色を、先端からとろりと零れる透明な粘りを、レンは愛おしげに見下ろした。
普段、他人に見せることもない箇所に、直載な視線を注がれる。
そのことによほど抵抗があるのか、櫂はレンの紅い髪をくいくいと引いて、訴えた。
「あんまり、……見るな、っ」
レンは、その余裕のない表情に目を移すと、ふふ、と短く笑う。
「では、櫂の望み通りに……こうしようか」
細身の身体に手を添えて、くるりと反転させた。
腰を高く上げられてしまうと、姿勢を維持するために、櫂は風呂場の壁に手をつく。
着衣のままの背と。
対照に、剥き出しの尻。
どちらも視野に入れば、裸そのものよりも余程、淫微だった。
レンは誘われるように、尻の丸みへと手を伸ばす。