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□嘘でいいから、えいえんに。
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きみが好きなんて、言われたのは初めてだった。
「レンさまぁ……っ!」
名を呼んで、縋り付く。
僕は無様かな。それともちゃんと、狙い通りの蠱惑的な表情を作ることが出来ているだろうか。
目の前のひとを、誘惑出来ているだろうか。
自分で服を脱ぎなさい、と言われたから、きちんと裸になった。恥ずかしいです、なんて少しだけ抵抗してみせたら、今夜は他所にお行き?だって。……やだよ、ぃやです……。僕はレンさまにだけ、抱かれたいの。
「すき、すき、っ……すき、です、……レンさま……ぁ、」
膝の上に座って、正面から抱き合って。
溶け合う部分が律動にあわせて濡れた音をたてると、その度に過敏な内壁がきゅうきゅう締まる。
飛んでしまいそうな意識の中で、うわごとみたいに繰り返した。
だって好きでしょう?
貴方だって、僕と同じ。
求められて欲しがられて、すき、っていっぱい言って欲しくて。
焦がれるみたいに、名前を呼んで欲しいの。
レンさまのことなら、僕がいちばんよくわかる。
あかい髪が流れる背中に腕を回して、しっとり汗ばむ胸を合わせる。
あったかくって、嬉しい。
体温が低くて、周りにあんまり興味がなくって、言葉にも熱の足りないひとが、僕を欲しがってあつくなってるのが、すごく幸せだと思う。
満たされると、僕も余計に感じてきて、自分からキスをした。
教えられたみたいに舌を出して、くちびるの間にさし入れて、絡めて吸って、ぴちゃぴちゃって、やらしい音をたてて。
「……余裕だね、」
くちづけの合間に、レンさまが笑う。
ぐん!と下から突き上げられたら、たったそれだけで、気持ちが全部さらわれてしまう。
「ひゃうぅぅっ!」
声をあげて、勝手に腰が揺れる。
欲しい。
もっと。
欲しい。
いくらでも。
欲しい。
全部。
欲しい……!
レンさまが僕の中で、どんどん固くおっきくなる。
イイとこ、みんなわかってて、擦る……の、ずるい……っ。
「だめ、だめっ!ソコ、だめ……ぇっ!」
僕は、かり、と背中に爪をたてて、少しばかりの抵抗をした。
レンさまと抱き合うのは、いつも、狂うみたいだ。
何もわからなくなる。
何もいらなくなる。
二人だけを満たす、欲望と快楽。
世界のぜんぶ、それしかなくなってしまったみたいに。
思考が消し飛ぶ。
も……ぅ、我慢、できなくなっちゃう……!
「あ、あ、あ、あああああ……っ!ゃ、イク……っ、僕、もぅ……っ」
「アイチくん、」
ひくく名前を呼んでくれるレンさまの声も、少しだけ急いて、掠れた。
きもちいいの、僕だけじゃない。
狂いそうなのだって、レンさまも同じで。
きつくきつく抱きしめる。
「出ちゃうぅ……っ!」
悲鳴みたいに声を上げて、弾けた。密着した膚のあいだに、みっともないくらい沢山の白濁を撒き散らす。
きゅぅぅぅ、って後ろがきつく締まって、そうしたら、レンさまも僕の中に、……あついの、いっぱい注いでくれた。
「ぁ、ぁ、ぁ、ぁ……、櫂くん、櫂くん……、ぁ、ぁあっ!!」
間断なく、びくびく震える。
からだ、自分じゃないみたいで、変だ……。
どくどくと欲望を吐き出しながら、ずる、って力が抜けて倒れ込んだ。