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いきなりつきあってる設定。
バカップル駄目ラブラブ。


えろしーん暗転
(こども版)



強烈な陽光が、瞼の上をじりじりと照らす。
眩しい。
暖かい。
少し眩しすぎるし、暖かすぎる。

アイチはもぞ、と毛布の中に潜り込んで、再びまどろみの中に沈んだ。

あかるいな。
お昼みたいだ。
暑いくらいだ。
真冬なのに。
思考が渦巻き、そして消えてゆく。
眠りに、落ちる、直前。

がば、と起き上がった。
なんだろう、この陽射しは。

早朝から。
……早朝?
本当に?

時間を確認しようとして、手を伸ばしてもそこはまだシーツの上だった。

(えっと、なんで)

アイチはぼへ、とした表情のまま首を傾げた。

僕の部屋では、ベッドのすぐ横に棚があって、いつもその上で携帯電話を充電している。

そこ?

棚どころか、机も箪笥も、その向こうの壁さえも視野にはなかった。
ベッドの先には空間が広がって、つきあたりが天井までの窓になっている。

広い。
……何処?

起き上がったまま、血の巡りを待つ。
アイチは朝が得意な方ではない。
じんわりと手足の先に血流が行き渡る頃、ようやく現実を把握した。

アイチの家の近くにマンションを借りたと、レンが事も無げに言ったのは昨日の放課後のことで。
「遊びにおいで。というか、一緒に住むといいよ広いからね」
相変わらずフリーダムな誘い方をするのを宥めて、でもせっかくなので少しだけと来てみたら、デッキを見てもらったりファイトしたりといった時間はほんの少しで、あとは色々。色々……。

レンの唇だとか、指先だとか。
抱き寄せられた感触とか、言われるままに取らされた、みだらな姿勢とか。

思い出したら、かぁ、と頬が熱くなる。

ふるふると首を振って、その勢いで振り払えたらいいと思った。そうすることで、少し頭も冴える。

結局、家には電話を入れて、泊まってゆくことになったのだった。

思い当たると、血の気が引く気がした。
普通に平日の朝だ。

「ちょ!……何時?!」

レンさんは、僕を置いて学校に行っちゃったのかな。
もしかして、起こしても起きなくて手を焼いたのかな。
だらしない子だって、嫌いになってほったらかしにしたんだったら、どうしよう。

不安を抱えたまま、ベッドの上を這う。
気持ちは焦っても、寝起きのせいか上手く動けない。
シーツや掛け布団を掻き分けて、どうにか床に降りた。

……と。
平らなはずの足元を何かに遮られて、思いきり転ぶ。

何か?
いや。

「なんで床に寝てるんですか!!」

枕を抱えて横向きで、取り合わせのおかしいシャツとズボンを適当にひっかけたレンが、フローリングの上で丸くなっている。

傍には空調のリモコンが転がっていて、真冬なのに妙に暑い理由に気付いた。
だらしなさという点では、アイチのはるか斜め上を行っている。

「レンさん。起きないと!僕学校があるから帰りますけど、レンさんも学校が、」

あるんじゃないんですか、と続ける前に、後ろ向きに引き倒される。

レンは普段、決して強引な迫り方をしない。
アイチが欲しがって啼くまで、焦らして面白がるタイプなのだが、今朝は馬鹿に抱き寄せる腕に力が入っていて……これは、寝惚けているということだろうか。

ベッドの端からレンが引きずりおろしたシーツに、不自然な姿勢で絡まりながらも、アイチは結論に至った。

「起きましょうレンさん、レンさん!」

じたばたともがいてみても、華奢な肢体は未発達で、骨格も筋肉量でも、アイチは年上のレンに全然敵わない。巷では女の子がそうされるように、レンの腕の中にすっぽりと収まってしまう。

この状態では色々近くて、暴れていないと恥ずかしくてどうにかなりそうだ。そんなアイチの努力を無下にするみたいに、レンは後ろから、かふ、とアイチの耳朶を齧った。

「ひぁぁぁぁ……!」

突然のことに、思わず声を上げてしまう。

心臓の音を聴きとられそうなほど、くっついていることがそもそも恥ずかしい。
なのにさらにこういう、不慣れなことをされると……。

アイチはレンの腕の中で、きゅぅっと身体を縮めた。

起きたばかりだし、変に汗をかいていたりしないかな。
息が荒いとか変だと思われないかな。
僕の身体があついの、気持ち悪くないかな。

アイチが色々と考えているうちにも、時折ちろちろと舌先を遊ばせながらの甘噛みは続いていた。
さらに胸に伸びた手は、借り物のだぶついたパジャマを掻き分けて、素肌を探る。

「駄目、だめです、レンさん……っ」

「ん。可愛いよ、アイチくん、」

「ひゃ、や、ほんとに……もぉっ、……それ以上は、ぁんっ!」

「起きぬけのアイチくんは、素直で欲しがりだね。大好きだよ」
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