R_A

□にょたあい。
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保健室は校舎の外れにあって。
始業前のざわめきも遠かった。

こうして一人だけになると、少しだけ安心する。
けれど、そうしたら同時に、身体が変なの……意識してしまう。

「……ぁ、」

内腿を擦り合わせた。
その、奥が。
……じん!ってして。
どうしても、違和感がある。

先ほどレンさんに弄られた感触が、……えっと、
忘れられて、いない。
……また、欲しくなってる……のかな。

下着の中が、ねちゃねちゃする。
襞に布地が食い込んだままになっていて、ちょっと腿を閉じただけで、擦れてしまった。

……んんっ!

レンさんは、まだカーテンの向こうでお話をしているし。

……ちょっとだけ、なら。

ちょっと、……今すぐ、……欲しくて。

「……ん、っ」

僕は声を漏らさないように、唇を噛んで。
そっと。
ベルトを締めたままの、ズボンのウエストのところから、指先を潜らせた。
体つきが少しだけ華奢になっているみたいで、簡単に手の甲まで、下着の中に入る。

下腹の丸みから。
すべらかな膚を伝って。
産毛のような僅かな茂みを潜ると。

にちゅ、って。
割れ目の真ん中へ。

あつい……っ!

蜜が染み出してしまっていて、指の先がとろとろになった。

……あ、……こんな……っ!
こんなに、いっぱい……僕……やらしいよぉ……。

濡れてる、ってわかったら、それだけで。
自分の身体の変化が恥ずかしくって、ますますぐちゅぐちゅにしてしまう。

「ひゃぅっ!」

悲鳴みたいに声を漏らしてしまって、慌てて反対の手で口を塞いだ。

最初は、中指だけ。
でも足りなくて、人差し指も、薬指も添えて。
三本で、襞の上を円を描くようにして捏ね回した。

指……止まんないよぉ……っ!

「こら、……自分で弄っていいなんて、僕は許した覚えがないけどね」

「……レン、さん……っ」

あ。
あ、あ、あ、あ……っ!

どうしよう、どうしよう……っ!

凄く恥ずかしい。
……恥ずかしいだけじゃ、済まない。

僕、いけないことをした。
レンさんが触れてくれるの、待ちきれずに。
自分で……自分の指で慰めるなんて……すごく、すごく、いけない。

「我慢できなかったの?」

レンさんは、背中の後ろでカーテンを閉めて。
僕が横たわるベッドの端に、腰掛けた。

「ごめ……なさ……」

「見せて御覧」

謝罪の言葉さえ言い淀む僕の手首を掴むと、レンさんは下着の中から引き抜いてしまって。
指に、透明な蜜がいっぱい絡んでいるの、目の前で注視された。

……僕が零したの、……見るの、だめです……恥ずかしいよ……!

「車の中でしたあげたくらいじゃ、全然足りないんだね。思っていたよりずっと欲深い……可愛いな」

呆れたみたいな、溜息を、ひとつ。
けれどレンさんは、くす、っていつもの笑い方をして。
……ご機嫌な時にそうするって知っているから、僕は少しだけほっとした。

僕の手を。
指先を、引き寄せて。
レンさんは蜜の絡んだ中指の先へ、舌を伸ばす。

「……ぁ!」

ぴちゃ、って。
音を、たてながら。
そのまま僕の指を舐めた。

唇をあてて。
舌を絡めて。
ちゅるん、って、お口の中に含んで。

……僕の、えっちなの……ぜんぶ、舐めるの……。

「駄目……ッ!」

手を引き戻そうとするけれど、掴まれた手首にかかる力は、意外なほどに強固で。
僕は抵抗することもできず、なすがままにされる。

女の子の身体は、いつもよりも少し力が弱いみたいで。
レンさんのすることに、僕は全然敵わなかった。

「女の子のアイチくんの味……美味しいよ、」

そんな風に指摘されたら、僕はレンさんのことを、まっすぐに見ることさえも出来なくなってしまう。
ごめんなさい、って。
また、短く言って。
顔を背けた。

触れられているのは、指だけなのに。
普段自分でもあまり触らない、指と指の付け根に舌先が届けば。

びく、って。
自分でも変だって思うくらい、身体が震えた。

「僕……やっぱり、すごくすごく変、です……」

また、弄りたくなってしまって。
太腿を閉じ合わせる。

にちゅにちゅって襞が鳴って……きりがないみたいだった。

「そのままじゃぁ、どうなってしまったのか、わからないね。診てあげるから、こちらにおいで」

「……え!だめですレンさん、……その、先生が……っ」

するりとベッドから降りたレンさんは、ベッドを隠すカーテンを大きく開け放ってしまう。
照明の鮮やかな光が差せば、それだけで隠れる所を失ってしまったみたいな不安を覚えた。

「少しの間、外して貰ったからね。大丈夫だよ」

レンさんは、言うと、勝手にロッカーを開けて、中を物色する。
舞うようにひらりと取り出した白衣を、制服の上に羽織った。

丈の長い真っ白な上着は、レンさんの長身にとてもよく似合う。
けれど、……真っ赤な髪に漆黒のブレザー、その上に白衣を纏った姿は、お医者さんとか保険の先生とか、そういった雰囲気はまるでなくて。
コスプレ、としか表現のしようがない。
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