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□にゃんにゃん!
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レンアイ猫ぷれい(微えろ注意!)


昼と夜との境目の。
放課後、と呼ぶのが相応しい、午後のひととき。

FF本部ビルの最上階、雀ヶ森レンの執務室に。
このところ毎日のように、制服姿の少年が姿を現す。

「2月22日は猫の日なんですよ」

アイチは朗らかに言って。
下校中に摘んできたと思しき猫じゃらしを、ふるふる、と振った。

「……にゃん、って言ってくれなくちゃ厭です」

きっちりと崩すこともなく学生服を着込んだまま、机上に伸びている姿は、むしろ彼自身こそが猫科の生き物のようだ。

溜息をひとつ。
仕事の手を止めたレンが、藍色の髪を撫でた。
丁度、愛しい飼い猫にするように。

「僕が猫なんですか」

処理中の書類の上に、アイチが乗ってしまったので、仕事はひとまず中断せざるを得ない。
長い指を端末に走らせると、2人分の紅茶とおやつを持ってこさせることにした。

「そうです。にゃん、です。レンさんはすごく猫っぽいです。気まぐれで残酷でしなやかで、可愛い」

アイチは、にょー、と声を上げて。
猫がそうするような、背を反らすかたちの伸びをする。

レンの視線を大きな蒼い瞳で捕らえると、目を合わせたまま、身を起こした。
深紅の眸に吸い寄せられるように、身体を倒す。

机上のアイチの方が、椅子に腰かけたレンよりも、視線の位置が高い。
肩に手をかけて屈み込むと、瞼を伏せて。
いつもと逆の身長差を楽しむように、口づけを落とした。

「にゃん、」

自分からしたキスの癖に、短く唇を触れ合わせただけで、アイチは真っ赤になってしまって。
誤魔化すみたいに呟くと、俯いたままレンの膝の上に降りた。

ふる、ふる、と。

猫じゃらしを、また、一振り。
照れ隠しみたいに、レンの鼻先で揺らす。

「僕にはきみの方が、余程猫らしいと思うけれどね」

手のひらをかさねて、レンはアイチの手から猫じゃらしを奪った。
振って、揺らして、しっぽのようなその穂先を、じっと眺める。

やがて飽きたのか、机上に放置して。
幸せそうな表情で寄り添うアイチの身体を、くるりと反転させて、椅子のクッションに深々と埋めた。

「ふぁ?」

「甘えたがりで、媚びるのがとても上手。あざといのに、可愛いものだからつい許してしまう」

立ち上がったレンは、アイチを見下ろした。

「……困った猫くんだね、」

詰襟のホックを外すと、白い首筋にきつく口づける。

「レンさ、……駄目っ!あした、体育……着替え、あるからっ」

アイチの手が、レンの胸を押す。
けれど、そんな抵抗ひとつで、離れるわけもなくて。

「そう。だったら、学校の皆に僕のものであることがわかるように、いっぱい印をつけておかないとね」

言うと、位置を変えて口づけを繰り返しながら、片手で器用にアイチを暴いて行った。
学生服の前を閉じ合わせたファスナーを下ろして、カッターシャツのボタンを開けて。
瞬くあいだに、胸元を、露わに。

「……っやぁっ、」

アイチはいまだ抵抗の意思を指先に込めて、レンの袖を握って引く。
その手を取ったレンは、華奢な手首をひとまとめに押さえ込むと、卓上の猫じゃらしを再び持ち出した。

「ほら、好きでしょうアイチくん」

穂先を揺らすと、胸元に寄せる。
はだけたシャツの間から覗く乳首にその先端を当てて、ふるふるとくすぐった。

「んんっ」

唇を噛んだアイチが、頬を真っ赤に染めて、涙を浮かべる。
びく、びく、と震える身体は、それでも明け透けな快楽を伝えて、レンを悦ばせた。
指でされるより余程緩い刺激だろうに、アイチの乳首はしこって、そのせいでますます感覚は鋭敏さを増す。

「や、……やだぁっ!」

ちくちくと小さな穂が、間断なくピンクの突起を撫でてゆく。
普段そこをそうされるのは、指先でか、舌でか。
どちらとも違う新たな感触に、少年の腰は怯えと期待を内包して揺れた。
抵抗する声も、次第に弱まって行く。

「こんなに乳首を立たせておいて、やだと言われてもね」

「ぁう、あ、……レンさん、意地悪です……っ、」
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