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□liquid white
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「たまにはこういう趣向もいいですね、アイチくん。いつもの勉強机で犯されるのは、どんな気分かな?」
「ふみゃぁっ……!らめ、て、言ったですぅっ」
レンさんが来るまで、僕は宿題を片付けていた。
だから、机の上には、教科書とノートが出しっぱなしだ。
僕はその上に背中を乗せたまま、脚を大きく開かれて。
今。
レンさんと、繋がっていた。
幾度かの抽送の末に、奥の奥まで入って来たら。
そこで、一度、腰の動きが止まった。
僕が深く息を吐いて、落ち着くのを、レンさんはちゃんと待ってくれる。
ひぁ……お腹、いっぱいだよぉ……。
怖いことされないって、わかっているのに。
痛いように絶対にしないって、わかっているのに。
くぷ、って入って来る瞬間には、きつく目を閉じてしまう。
ちから、ぬいて。ね……?
そうやって、レンさんが優しく撫でて宥めてくれるまで。
僕は、怖がって、強張って。
いつまでも、慣れない。
ゆっくりと奥へ進んでいる間は、こじ開けられる襞がレンさんのに絡みつく、その感触だけで狂ってしまいそうで。
息を止めて、縋るみたいにしがみつく。
声が出ちゃうのが恥ずかしくて、唇をきつく噛んで。
そんな状態から、ようやく、今。
ほんの少しだけ、余裕が出来た。
レンさんの指先が、眦を撫でて。
それで、初めて、泣いていたんだって気付く。
「……怖かった?」
「ふぁっ、……やだって、言ったのにっ……ずるいです、レンさん」
「ふふ。少し強引だったかな。けど気持ちいいでしょう?」
くん!
って。
奥……ちょっとだけ、突いて。
「ッ、ふぁぁんっ!」
そしたら。
僕の柔らかい襞が、押し開かれて。
ぐちゅ、って濡れた音がする。
内腿に力を入れて閉じて、レンさんを両側から挟むみたいにしたら。
気持ちいい……って、すぐにわかってしまう……よね?
恥ずかしいのに、どうすることもできない。
僕はレンさんの肩に腕を回して。
ようやく、涙の浮いた目を開けた。
視野には、真っ赤な髪。
街並みの輪郭に墜ちてゆく残照のように。
鮮やかに、艶めく。
けれど周囲は、その豪奢さに不似合いで。
ただのっぺりと平板な、いつもの天井。
どこにでもある形の、いつもの窓。
とりたてて特徴もない、いつものカーテン。
小学生の時から代わり映えのしない、いつもの僕の部屋だった。
だからこそ、なんだかすごくいけないことをしている気がする。
この部屋で、この机の上で。
……こんな、こと。
想像もしていなかった。
意識すると、また一段と羞恥が増して。
かぁ、って。
頬が熱くなる。
同時に……下の、方も。
きゅん!って締まって……。
……ぁ、ぁ、ぁ!
すご……感じ、て……。
……やらぁっ!
レンさんが、また、腰を揺らした。
「はぅぅんっ!」
気持ち、よくって。
おかしくなりそう……。
……流されてしまいそう。
だけど。
快楽に溺れるだけが、僕のしたいことじゃないから。
ちゃんと。
言って、おかないと。
「レンさん、……レンさん……あのっ、……えと、ぇと、……その、……」
ふぁぁ……。
すぐにでも意識が攫われてしまいそうだ。
上手に、喋れない。
息を吸って、吐いて。
落ち着いて。
頑張っていると。
「なんだい?……大事なこと?」
レンさんが、ひどく優しい声で先を促す。
揄うみたいに、腰を揺らしたりせずに。
乱れた僕の髪を撫でて、涙の零れた頬にキスして。
優しくされたら嬉しいな……。
レンさんは逢う度に優しいけれど、少しだけ意地悪なこともあって。
だからこそ、こうして、いい子ってされていると、それだけで僕は。
ふんにゃりと、蕩けてしまいそうになる。
「レンさんが、いつも、僕に色々してくれるから、それで。たまにはお返しがしたくって、今日は家に来て貰ったんです。
……その。こういうの、したいとかじゃなくって。」
「知っているよ。アイチくんはえっちな子だから、色んな所で色んな抱き方をして愉しませてあげなくちゃって、いつも思ってる」
それでもどうにか、気力を振り絞って、お話しようとしたのに。
レンさんの反応がちょっと酷い。
色々、って、そういうことじゃないんだけどな。
僕はいつも、そんな風に思われて……。
「ぼ、……僕は……っ、えちな子とかじゃなぃです……」
「そう?此処が、絡みついて離さないよ?」
繋がる部分を、レンさんの指が撫でた。
ぞくぞくする。
そしたら、また、ナカがきゅって締まる。
こんなじゃぁ、えっちな子っていうの、否定できないよぉ……。
「……ッ、ぅん、っ!違う、です……今日は、ホワイトデーなんですよ。バレンタインの時に、僕、すごい高価なチョコ貰っちゃったりとかして、その、お返しに……っひゃぁっ!」
懸命に言葉を繋ぐ。
どう言ったら、レンさんは嬉しいのかな。
どう表現したら、僕の気持ちは上手に伝わるのかな。