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□ふしだらなぼくでいいですか?
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「誕生日おめでとう、アイチくん」
レンが部屋の扉を開け放つと、目の前に真っ白な尻があった。
柔らかで丸い、すべすべとした滑らかな膚。
それは間違いなく、この部屋の主のものだ。
レン自身が、幾度も幾度も、その手で触れて、撫でて、捏ねて。
お尻が、つん、って高く上がっていて、アイチくんはすごく可愛いよ。
褒めて、開いて、形が変わるほど握って、その感触を楽しんだものだから、馴染みもあった。
「……やぁ……っ!レンさ、……っ、きゅうに、来るの……らめれすぅ……」
クッションに上半身を埋めたまま、尻だけを高く上げる姿勢で。
床に胡坐をかいた櫂の股間に顔を埋めた状態から、アイチは肩越しに戸口のレンを振り返った。
しどけなく開いた唇が紅くいろづいて、顎の先まで涎で濡れている。
蒼い眸は潤みきって、上気した頬と共に、隠しきれぬ性感を色濃く伝えていた。
「レン、……じろじろ見るな。出てゆくか入って来るかはっきりしろ」
インナーも上着もしっかりと着込んだまま、下半身は白い靴下だけという格好のアイチを、実に興味深げに見下ろしてあとで、レンは、着衣を寛げたまま渋い表情を作る櫂に、視線を移す。
常から鋭利な目元に仄かな昂奮の色を読み取って、薄いくちびるがつい、と吊り上がった。
「追い払わないんだ。駄目な男だねぇ、櫂。ね、……独り占めにしてくれないなんて、アイチくんは淋しいでしょう、」
アイチはレンの視線から隠れるように、クッションを抱えて丸くなった。そのまま櫂の膝に寄り添って、自身の唾液でぬらぬらと光る雄芯へと小さな手を伸ばすと、今度は指を絡めて扱き始める。
「……アイチ、……よせ……ッ、」
「ん……ゃあ……、かいくんとするの……、途中、やだ……っ」
「レンが見ている」
「僕の誕生日に遅れて来たレンさんは、わるいひとです。してあげません……けどそこで見ているくらいは、許してあげてもいいですよ?」
「と、いうわけだよ、櫂。女王様のお許しが出たことだし、僕は君たちの睦まじい姿を、存分に鑑賞させていただくとしよう」
豪奢にめかし込んだレンの姿は、手にした巨大な花束と相まって、アイチの勉強部屋には酷く不似合いだった。
当人はさほど気にした風でもなく、部屋の奥へと入り込めば、飾り気のない椅子を慣れた仕草で引き出して、きしりと鳴らし逆さに腰かけた。背凭れの部分を胸に抱えるような姿勢になる。
ちゅくちゅくと濡れた音がして。
赤黒い屹立に、白い指が絡みつく。
茎を包み込んで、根元から先端までを緩急をつけて往復した。
アイチはうっとりと蕩ける視線で、両の手に収まりきらぬ質量を眺めると、ぷつりと透明な蜜を吐き出した窪みに、舌先を遊ばせる。
ちろ、ちろ、とぬめりを掬い取った。
「……かいくんのあじ……」
紅い舌先を覗かせながら、視線はレンの方へと流す。
「美味しいの、羨ましいでしょう……?」
「そうだね、僕も後で存分に頂こうかな」
「櫂くんは僕の、です。レンさんにはあげません」
「僕が頂くと言っているのは、きみのことだよ。お誕生日なんだから、いつもよりずっと感じさせてあげよう。……何回イきたい?きみが空っぽになるまで、一晩中でもお付き合いするよ」
「止せ、レン。アイチが消耗するだろう。丈夫な方ではないんだし、お前が加減しろ」
「櫂が控え目にしたら、その後で僕が濃厚な抱き方をして、バランスがとれるんじゃないかな」
「煩い。知るか」
「……ひゃぅ、……ぅん!」
櫂は短く言うと、膝の上のアイチの肢体を抱き寄せた。
そのまま自身の背でレンの視線から隠すような姿勢で、絨毯の敷かれた床へと組み伏せる。
「かいくん……積極的なの……嬉しい……!」
「……いや、……すまない、痛くないか。レンが、その、……お前のふしだらな様を、あまり見せたくなくて……」
「櫂くんに俺だけのものだって思って貰えるなら、ぼくはすごくしあわせだよ……ね、いれて?」
「僕は、アイチくんが上の方がいいな」
「……お前はいいから黙っていろ」
「アイチくん、……櫂が冷たい……、」
レンは椅子の背に顎を乗せて長身の背中を丸めて、きこきことわざと軋ませながら、床の上で重なる二人を見下ろしていた。