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□ひとくいのロマンス
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「あーん、ってパフェやアイスを食べさせてあげるのだったら、可愛いものだけれど」

口の端に、八重歯のようにとがった犬歯が覗く。
奉仕する時のように僅かに伸ばされた舌は、先ほどの僅かな血を舐め取って、赤みを増していた。

唇と唇の間に、銀色の糸が引く。

「すき、」

アイチはうっとりと目を細めて、かふ、と、レンの首筋に噛み付く。

「僕も、好きだよ」
「ん、んんっ」

ちり、と膚の柔らかい箇所に走る鋭い痛みに、レンは僅かに眉を潜めた。

けれどそれも最初だけで、噛み付いては舌で舐め、甘噛みしては膚を食い破るアイチが、淫猥にも聞こえるじゅるじゅるとした水音を立て始めると、レンの白皙の頬にも情欲の朱が上る。

「きみたちの毒素というのは、ほんとうに強力で手に負えないな」

細い腰を抱き締めて支えると、一心不乱に吸血を続けるアイチの身体を、つめたい床へと押し倒した。

「……っひゃうぅ……っ!レンさ……、すご……おっきぃの、もう……、あは、……あはは、いけないひとだな」

アイチの纏う夜着は薄手のシルクで、布地越しに腰へと押し当てられる昂ぶりの大きさを、膚で感知してしまう。

びちゃびちゃと傷口を舐め回して、ぶちぶちとまた新たに膚を食い破ると、出血を貪るように吸った。

レンは一度その髪を強引に引いて自らの首筋からはがすと、鮮血に濡れた唇の奥に、指を突き入れる。

「……ん、っ、……おあずけ、ぃやれす……ぅ、」

吸血を中断されたアイチは、不満を隠しもしない口調で、けれどどこか甘えた声で、啼いた。

喉の奥まで、一度深く挿入して、それから舌の裏を掻く。アイチがすぼめた口腔のうちを蹂躙するように、頬の裏から上顎まで、レンの長い指が触れて、掻く。

「ふぁ、ん……っ」

唇の端から涎を零しながら、アイチは呼吸を乱した。レンの指が離れると、名残惜しげな舌先がふるふると震えて、唾液の糸を引く。

「厭と言う割に、お口の中は気持ちいいようだね」

「ん、かんじるの……やらかいとこなら、全部、感じるの……レンさん、しってるくせに」

レンの背に回した腕を支えに、アイチは再び首筋の傷口へと顔を埋めた。
ちうちうときついキスを落とすように、吸う。

レンはアイチの唾液で濡れた指を、夜着の下へと滑り込ませた。既に熱を帯びて芯を通した器官を、あえて掠めるだけにとどめて、後花の真ん中に指の腹を押し当てる。

くぷ、と。
ぬめりを帯びた指は、微かな抵抗だけで、菊門を潜った。

「……ぁんんっ!」

アイチの背がしなって、白い喉が反る。

「下のお口も、随分と欲しがりだ。……ほら、ね、……きゅうきゅうに締まって、離してくれないよ」

浅いところで幾度か抜き差しを繰り返すと、すぐに、ずぷぷ、と、根元まで銜え込むほどに柔らかく解れた。

「ぁ、ぁ。……かきまぜるの、やらぁ……お腹、ぐりゅぐりゅしちゃ、や……っ!やら、や、……へんになるよぉ……っ!」

血で汚れた唇が、首筋から離れる。
レンの背を抱いてしがみ付くように、アイチは身体を縮こまらせた。

「此処、……ほら、」

「ひぁぁぁっ!らめ、そこ……や、やら、っ……レンさ、意地悪、しな……で、いれて……っ!」

秘処を貫くレンの指が、二本に増える。捻じ込まれながらばらばらに粘膜を掻くその動きに、アイチは吸血を忘れたみたいに、高い声を上げて乱れた。

内壁の一点を執拗に攻めれば、はちきれそうな性器が、腰の動きにつれて、ぶるんぶるんと揺れる。幼いかたちにもかかわらず、先端からはしたないほどの蜜が溢れて、下腹から内腿にまで飛び散った。

レンはその根元を押さえてしまって、後花を抉る手の動きは、逆に速める。

「食事の途中でイクなんて、お行儀が悪いよ」

「……ッく、……ひぁ、ぁ、……っ!や、意地悪、や……!やらぁ、イかせて……ぇ、」

「くるうといい」

「……ぁ、ぁ……っ!やぁぁぁぁっ、やん、……ぁん……っ!ぁ、ぁ、や……も、……ぁ、ぁ、ぁ……っ!ひ、……イ……っ、ッあああああああっ!」

射精を堰き止められたまま、アイチはびくびくと身体をしならせた。

「イクのは駄目だと言ったのにね。言うことをきけない子は、おしおきだよ」

「ふぁ、……レンさ、の、……おしおき、くらさいぃ……っ」

「それでは、お仕置きにならないのだけれどね、……困った子だ」

レンは言うと、慣れた手つきで、下半身の着衣を寛げる。

それだけで欲を煽るように、内壁を擦りながら指を引き抜いた。
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