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□ドロップスタァ嗜好症
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「……っ、やめろっ!」

櫂くんはあんなに無気力に見えたのに、結構元気に抵抗していた。
何もかも失ったみたいな顔で居た癖に、穢されるのは厭なのかな。

誰のために?
自分のため?
……ちがう。

櫂くんは、レンさんの為に。
僕の知らない「あの頃のお前」っていう、大切な想い出の中のレンさんに、櫂くんはきっと今でも抱かれ続けているんだ。

溜息が洩れた。

過去に固執するから、辛いんだよ。
わからないの。
わかりたく、ないの。

ばかだね、櫂くん。
大人になりなよ。

僕の見下ろす先で、櫂くんは両足首を左右に広げられて、片方ずつを一人ずつに固定されて。
あれじゃぁ、もう、脚を閉じることは出来ない。

いつの間にか下着まで剥ぎ取られて、丸見えになって。
でも、膝頭を内側にすることで、辛うじて少しだけ視線を阻む……それが精々だね。
恥じらう姿勢が、かえって嗜虐心を煽る。
膝なんてどんなに閉じたって、一番恥ずかしい所は、丸見えなのに。

シャツの下に入り込んだ手も、左右から二本。
櫂くんは、四人の男の人に自由を奪われていた。

びくん!って背がしなるのは、きっと、シャツの下で乳首を引っ張られたんだね。
涙の浮いた目が、とても綺麗だ。
頬が次第に染まって行くのは、胸を捏ね回されているからかな。

櫂くんが不自由な体勢ながらも身を捩ったから、シャツがはだけて胸元が露わになった。
不躾な手が、ピンクの乳首をくりくりと転がしている。
摘まれたそれは果実みたいに色を濃くして、ぷつりと勃ち上がってゆく。
先端を押し込まれて、また引っ張られて、力を入れて潰されて。
そこばかりを、左右ばらばらに責め続ける。
閉じ合わせた膝に五人目の男が力をかける頃には、陰茎すらも勃起の兆候を見せていた。

……あ。
櫂くん、感じてる……!

「やめ、……ろ、よせ、……も……こんな、……レンが、悦ぶとでも思っているのか」

レンさんは、喜んでいるだろうね。
長い間友達だったのに、櫂くんにはわからないのかな。

息も絶え絶えな言葉の端々で、声が上擦る。
気持ちいいから、乱れるんだよね。
自覚がないようだけれど、きみは今とても色っぽいんだよ、櫂くん。

いつもは鋭いその眸が、余裕なく追いつめられてゆくレンさんとのファイトも素敵だったけど、誰とも知らない男の人たちに身体じゅうを触られて、とろんってなってる今の顔も、とても可愛い。
白皙の美貌が、耳まで真っ赤に染まって……ね。
誘っているようにしか見えない。

僕だって、熱くなっちゃうよ……。

ずくん、って。
身体の中心に、熱が集まる。

どうしよう。
櫂くん。

……きみに、突っ込んで、ぐちゃぐちゃにしてしまいたいよ……。

「無様だねぇ、櫂トシキくん。かつてのレン様のチームメイトが、乳首弄られただけでとろとろになっちゃうんだ」

揶揄の言葉に、櫂くんの眦がきりりと吊りあがる。
発火するみたいな視線で睨みつけるけれど、当の男は素知らぬふりで。

「乳首がどんどん固くなるよ。そんなに気持ちいいんだ」

ぐりぐり、くりくり。
おっきくなって、かたくなって。
だからこそ、余計に感じてしまう。

「ぅぁっ、ぁっ!」

潰されるの、好きなんだよね。
痛いくらいのことが、一番気持ちいいみたい。
誇り高い櫂くんの、秘められた被虐嗜好。

ほんとうに……ぞくぞくするよ。

レンさんが手放したくない気持ち。
レンさんが忘れられない気持ち。

凄く、よくわかる。
痴態を見ているだけで、虜になってしまいそうだ。

「男の子なのに、乳首でこんなに感じるのは、淫乱なんじゃないかなぁ」
「ほらここが、もう、濡れて濡れてぐちゅぐちゅだね」
「怖い顔しても、こっちだっておっきくなってるよ」

言いながら、黒服の男は、櫂くんの脚の中心に手を伸ばした。

気持ちいいんだ。
感じてるよね。
身体は正直だね。

陳腐な台詞こそが、けれど櫂くんの誇りを挫いて行く。
言われている通りに、反応してしまっている自分を恥じて……そうすることで余計に気持ち良くなっちゃうんだよね、櫂くんはそういう子だ。

「……ッぁあっ!」

電流が走ったみたいに、押さえつけられた身体が、それでもびくびくってなった。

……えっ??

先っぽの窪んだとこに、指先が当たっただけだよね?
それで、もう、あんなに……。

櫂くんは全身性感帯で。
櫂くんは年中発情期なんだね。

すっごい気持ち良さそうな声を出してしまってから、櫂くんは慌てて唇を噛んだ。
血の気を失った口元に、ぷつりと鮮血が浮く。

にちゅり、にちゅり、と。
櫂くん自身の零した蜜を、茎全体に塗り込められる音がした。
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