短い夢

□女子高生と刑事
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「笹塚さーん!」

「はぁ…」


後ろから元気な声が俺を呼び止めた


「…何、名前ちゃん
また事件に首突っ込みに来たの
弥子ちゃんと一緒に」

「いえ?弥子は今日いませんよ」

「……そーみたいだな」


いつもなら隣に弥子ちゃんと助手のネウロがいる


「…弥子に会いたいんですか?」

「?いや………
あの子らが来ると事件起きそうでヒヤヒヤすっから
で、今日はどうした?」

「あ…
あの…………弥子に頼まれて
クッキー作ったんですけどっ!」

「へ、あ、うん」

名前ちゃんの勢いに押されて頷く




「あのっ………
出来たらでいいんですけど…
味見してもらえませんか?」

「…別にいいけど」

「良かった!
えと……どうぞ」

「サンキュー…
てかさ、俺に味見させるためにわざわざ警察署まで探してくれてたの?」

可愛らしい袋に入ったクッキーを差し出す彼女にそう問いかければ少し赤くなって答えた



「笹塚さんなら…食べてくれるかなって……」

「………当たってるけどね」

名前ちゃんに違和感を覚えながら、シンプルなクッキーを食べた



「…………………」

「………………
……あのなぁ…そんな見られてたら食いにくいんだけど」

「すっすすすすいませんっ!」

いや、どもりすぎだろ



「……名前ちゃんなんかあった?
今日変なんだけど」

「いえっ………
あの…クッキー、どうですか…?」

「ん?旨いよ
俺はこのくらいの甘さが良いかな」

「!ホントですか?!」

「うん」

「やった!!
じゃあこれお礼に食べてください!」

「は?」

「じゃあ私はこれでっ
さよなら!」

そう言い残して彼女はフットワークも軽く去っていった
後に残された俺はクッキーの入った袋を手に呆気にとられていた







女子高生と刑事







こんな方法でしか渡せないから


もしかして…俺の為?








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