ぶっく
□お前は俺の、1日メイド
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「ただいまぁー。」
「…お、お帰りなさいませ、ご主人様////」
「ぅおっΣ風丸ッ?!何で俺ン家にっ…、…あれ?可愛いな…」
「…う、嬉しくありません。」
風丸本人は嫌がっているが、今の風丸の格好は、"可愛い"以外では言い表せない。
フリルのついたカチューシャ、髪はツインテールにし、ワンピースのような可愛らしいメイド服を身にまとった風丸は、
今もなお可愛いと言い続ける円堂から顔を背けていた。
なぜ風丸がこんな格好になったのか。
30分前の話になる。
「わーい!風丸くん負けぇー!」
雪原のプリンスである吹雪は、持ち前の黒い笑顔で言い放った。
「俺トランプ弱いんだよぉ…;」
「負けた人には罰ゲームだよっ!」
「そうだな。…あ、こんなのはどうだ?」
不気味にゴーグルを光らせながら、鬼道は風丸に聞こえないように吹雪に自分の案を言った。
「……それいいねぇ((黒」
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「しょうがねーじゃん、風丸がトランプで負けるからだろー。」
「だっ、だからってっ////」
「着せたの俺じゃないしぃー」
「つか、円堂。両親は?」
二人が居る円堂の家は、やけにシンとしている。
「何か今夜帰らないらしいぜ?」
「そ、そうか…;」
風丸は、短いスカートを押さえながら円堂に尋ねた。
「き、鬼道は…吹雪に何て言ったんだ?」
「んー?なんかな、"1日メイドやらせたらどうだ"って。ちなみにサブタイトルは"円堂はご主人様"らしいぜ?」
「そんな無茶苦茶な。」
思わず苦笑を浮かべる。
「だからなっ、風丸!!」
やけに元気よく円堂は言った。
「今日1日、ホントに俺のメイドなっ!!」
「……………………………はぁっ?!」
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