ぶっく
□今夜の試合はベッドの上で。
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夜。
風呂も入り、あとは寝るだけ、という感じの夜だ。
「クーラー、ガンガンだな。」
ふと、円堂が俺のベッドの上で呟いた。
「クーラー切る?」
「いや、切ったら暑いだろ。」
「…エコじゃないな。」
「んー....じゃあ切ろうぜ!」
ピピ という機会音をあげてクーラーは止まった。
だんだんムシムシとしてくる。
「窓、開けるか?」
俺は、ベッドに横たわる円堂に尋ねた。
「ゔーー…」
返事になってないが、多分、開けていいだろう。
案外、外の空気は涼しかった。
「でも、やっぱ暑いな。」
「そーだなー…」
一息おいて、円堂が口を開いた。
「なんかさ、媚薬飲んだみたいだよな。」
「…………………は?」
「暑さで体あついし、頭はポワポワするし?」
「お、おま、媚薬、飲んだこと、あるのか?」
恐る恐る聞いてみた。
「ないけど、だいたいそんな感じだろ!」
あ、妄想か。
よかった...
「じゃなくて!」
「んー?」
「な、なんで媚薬に例えr」
「風丸ってさ、」
「な、なんだよ。」
「鈍感なんだな。」
今までベッドの上でゴロゴロしてた円堂が
なぜか目の前に居て、一気にベッドに投げ出された。
背中を思い切りうって、むせる。
「ゴホッ....ち、ちょ..円堂っ」
「暑さで体はあついしさー、顔ほてってるぞ?風丸。それに、髪の毛も乱れてて、今の風丸、すんげーエロい。」
「は、はぁ?!」
抵抗しようと、起き上がろうと努力するが、さすがはゴールキーパー。
腕の力はすごい。
「なあ風丸。逃げようとは思ってないよな?」
ふいに塞がれた唇。
舌を絡ませながらのキス。
「ん...え..ん、どぉ..っ..」
必死に円堂の肩を押すが、馬乗りの状態では、重力までもが円堂の味方をする。
溶けそうだ。
円堂のキスに、溶けそう。
目がうつろになってきた。
不覚。
俺も円堂に欲情し始めた。
(今夜の試合は。)
(イかせてあげる。)