ぶっく
□何でもするから
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「ごめんなさい。違和感をください。」
俺を見るなり謝る神童に、少し怒りを込み上げつつ、
「あ、うん、いいよ。」
と許す俺は、良い人間なのかもしれない。
今、俺は、雷門中の制服を着ている。
だが、いつもと違う。
俺は神童の命令で、女子制服を着させられているのだ。
「ツインテールにはやっぱそれだな。」
「……………。」
そろそろ殴っていいですか。
「つか、何で着せた?」
「何でもするって霧野言っただろ?」
「………。」
あれは、昨日の話になる。
「え。神童って、好きな人いるのか?!」
「しっ!声がデカイ!霧野!」
正直、あの瞬間はショックだった。
神童に?
好きな人?
……俺、神童、好きなのにな、って。
今思えば、全然大したことじゃなかったんだ。
というか、ハメられてたんだ。
でも、その時俺は必死だった。
「だ、誰だよ?」
「やだ。言わない。」
「何でもするから教えろって!」
「…………。」
「何でもすr」
「本当?」
「え?」
「本当に何でもする?」
「するよ?」
「…俺の好きな人は、霧野蘭丸って人。」
「……………………はぁぁぁあぁあっ?!」
「浮気するとでも思ったか?さ、霧野。」
「な、なんだよ」
「何でも、する、よな(ニヤ」
そんな感じで今に至る。
「やだもう恥ずかしい。着替えてくる。」
「いや、このままでいろよ。んで、そのまま俺を一夜を過ごそう。」
もうやだ。
夜は長そうだ。
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