紅き華の記憶

□誘拐事件!
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「ありっ?こいつらみんな、やられてんじゃん。」

「うわーボコボコですねー。」


男の声が二つ。


私は、ゆっくりと顔を上げた。


「こいつらの味方?」

金髪の男性と変な帽子をかぶった私と同じぐらいの少年。
2人が私の声に反応して、こちらをみる。


「・・・・女?」

「センパイに一つ質問がー。まさかなんですけどー・・・」

明らかに私に対する疑問が浮かんでるように見えた。

というか、私の質問は無視?



「ししっ。これお前がやったの?」

「・・・・そうですけど。」

「うわっ、マジですかー。センパイどうしますー?」


私の答えに何やら問題があるらしく2人は、
顔を引きつらせて男と私を見比べている。


「どうするって・・・んーボスにかっ消されるのは嫌だしな。」

「それには、ミーも賛成ですー。」

「・・・・あの。私帰っていいですか?」


こいつらの話にはついていけそうにないと思い急いで横を通ろうとする。
が、金の男に手をつかまれた。


「やっちまったもんはしょうがねーし。お前を連れて行く。」

「は?」

「そうですねー。大人しくミーたちについて来てくださーい。」

「えっ!?何言ってるの!?離してよっ!」


意味不明な言葉に抵抗して、手を振りほどこうとするのになかなか離れない。

「おいっ!蛙っ、こいつを抑えろよっ!!」

「分かってますよー。・・・ほい。」

「!?何を・・・・」

口と鼻に布切れを押し付けられて、息を吸い込んだ瞬間甘い香りがした。

はめられた!


そう思ったあと、私は目の前が暗くなることを感じた。





  ―つまらない日常から抜け出せる―




ふと浮かんだ考えに頭の中で首を振った。
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