REBORN!

□廊下
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「う"お"ぉい!頭って……まあ、分からないでもねぇが」

「そこは否定しなよ。信憑性が上がっちゃうじゃないか」

マーモンは小さな身体に似合わない跳躍力で、スクアーロの肩へ飛び乗った。
腕の中の女、いや、少女は未だ目を覚ます様子は無い。

外見からするに、日本にいる例のボンゴレ十代目たちより少し大きいかもしれない。
けれどそれは数年前の彼らの姿を基準としたもの。
今はどうなっているか分からないし、年齢などマーモンには関係なかった。

小さな彼は少女に興味が沸いたのだ。

スクアーロがあんな阿呆らしい嘘を吐くとは思えない。
本当に頭がどうかしたのでなければ、彼女はもしかしたら。

「スクアーロ、その話ちょっと聞かせなよ」

「あぁ?」

「この僕がタダで相談に乗ってあげるって言ったの」



廊下



一応歩調を合わせてくれようというのか、スクアーロの歩く早さががくんと落ちた。
私はそれにほっとして、忙しく動かしていた足を普段通りのものにする。
いや、いつもより早足だ。
これは足の長さだな、絶対そう。

置いて行かれないようスクアーロを気にしながら、私は努力して道順を記憶する。
もしここで当分滞在ことになるのなら、覚えておいて損はない。
それに私は、知らない場所を冒険!などと言って迷いながら覚えることは出来ないと思う。

だってもうすでに、何人もの強面で屈強そうな人達と擦れ違っているのだ。
これは一人で遭遇したら、確実にどこかへ売り飛ばされそうな雰囲気である。

「う"お"ぉい、スピード落としてやったのに、まだ話せねぇのか?」

二歩ほど先を歩いていたスクアーロが立ち止まって、不思議そうにこちらを振り返る。
銀髪がふわりと鼻先を掠めて、ちょっとくすぐったい。
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