銀魂

□ハッピーバースディ!
2ページ/2ページ




「はいはい、本物ですよー」

「……そういや銀さん、今日お前に初めてお祝いの言葉もらったわ」


神楽と新八は朝早くからいなかった。
少し考えてみると、今日はほとんど知り合いに会わなかった気がする。


「そりゃそうよ、みんなこの瞬間の為に用意したんだから」

「へ?」

「私は彼女だから、って一番初めにしてもらったけど」


ふわりと、可愛らしい笑顔を浮かべた腕の中の彼女。
ちょっとだけ調子に乗ってキスをねだると、照れながらも唇を重ねてくれた。

やっぱこれ夢か何かか!?

この有り得ない状況に良い意味でドキドキしていると、彼女がするりと俺の腕から抜けた。
はっとして引き戻そうとするが、それより先に背中に回られる。


「さぁさぁ主役のご到着ですよ!」


愛しい彼女の声とともに襖が勢いよく開く。
万事屋の居間は、パーティチックに生まれ変わっていた。


「銀さん、おめでとうございます」

「また歳とったアルナ」

「おめでとう。今日はケーキ代わりにすごく甘い卵焼きを作ってみたの」

「人ノ誕生日ナンテ祝ウノ何年ブリカワカラネェヨ」

「プレゼントは家賃一ヶ月無料ってのはどうだい」


わいわいがやがや。

一斉に言われた言葉の数々に反応できずに、思わず後ろに助けを求める。
すると彼女はやはり微笑んだままでこう言った。


「(私を含めた)みんなにお返ししなきゃね!」







頑張れ銀時!
二千六年十月十日

前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ