銀魂
□03:噂は噂でしかないが
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「山崎ィィ、てめぇ教室ん中で素振りすんなって言ってんだろォ!」
土方の意識がミントン、いや、山崎へと向かう。
ぎゃー!という叫び声がしたが聞かなかった振りをする。
ミントンのラケットが床に落ちた。
沖田は山崎の方を見向きもしない。
「ほら、やっぱ鬼」
彼はにやにや笑い、私の顔を見ながら言う。
視線を向けられたままの私には沖田の方が怖くて仕方がない。
だってあの綺麗な手で、不良をぼこぼこに倒しているのだ。
私より細そうなのに。
視線を定められずにきょろきょろしていると、今度はその手が私の方へと伸びてきた。
殴られるのか、と体を竦ませるが、いつまで経ってもそんな衝撃は襲ってこない。
代わりに感じたのは頬の違和感。
「……何?」
「何って引っ張ってんでさァ。おもしれぇ顔」
沖田は右手で私の左頬をつまんでいた。
しかも楽しそうに引っ張っている。
力を多少加減しているのか痛くはない。
抵抗したらもっと恐ろしいことをされそうなのでされるがままにしていると、今度は沖田の首辺りに竹刀が当てられた。
瞳孔が開いたままの土方だ。
「てめぇ総悟、いい加減にしやがれ。それに銀八ィ、あんたもさっさとこいつに係りの仕事させてやれよ!」
土方は担任の方へも怒鳴った。
すると銀八は本当に面倒臭そうに近付いてくる。
このエセ教師が。
そして私と沖田の前に立つと、にんまりと笑った。
「沖田くーん。この生徒、先生の専属だからさぁ。あんま苛めないでくんない?」
「そりゃロリコンですかィ?……土方さん」
「誰がロリコンだァァァ!!」
どうやら彼らは、まだ私を放してくれる気はないようだ。
Continue...
山崎から返事がない。
土方にのされたようだ。