REBORN!
□ご主人様とメイド
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「この度、お部屋のお掃除の担当にな」
「う"お"ぉい、そこから動くなぁ!」
ファーストコンタクトは、結構衝撃的だったと思う。
私は最後まで挨拶をさせてもらえなかったし、スクアーロの部屋はもうひどかった。
何がひどかったって、植物の蔦だらけだったのだ。
白い壁が見えない程に生えて、伸びた蔦。
後にそれはベルとマーモンの仕業だと分かったのだけれど、アレはもう、うん、凄かった。
ご主人様とメイド
「スクアーロ様、エロ本です」
私はスクアーロの部屋を担当する、一応ボンゴレお抱えのメイドである。
一般家事は勿論、多少の戦闘技術も嗜んでいた。
凡人より少し強い程度だが。
そんな私が何故、いかがわしい、いわゆるエロ本を手にしているか。
「ベッドの下に仕込んでありました」
言葉の通りだ。
「!?」
スクアーロは飲んでいた水を喉へと詰まらせ、青くなったり赤くなったりした後、私の手からそのエロ本を奪い取っていった。
予想のはるか上をいく反応である。
というか、水を喉に詰まらせるなんてどんだけ焦っているんだ。
せめて噎せる辺りにとどめておけばいいのに。
「もし必要ない場合はこちらで処分致しますが、どうしますか?」
本を持ったままの体勢でそう尋ねれば、スクアーロはようやく少し落ち着けたようで、私から取り上げたモノを離れたゴミ箱へと放り投げる。
ばっちり入った。
「オレが、後で、処分、する」
どうせゴミ箱へ捨てたままなら、私がやることになるのにとは思うが口にはしない。
それにこの状態だと、剣か何かでバラバラにでもするのかも。
「はい」
「……う"お"ぉい、お前、勘違いするなよぉ。アレは決して、オレのもんじゃ……」
返事をすれば、スクアーロはまるで子供のようにそんなことを言う。
まあ、確かに、これはスクアーロのものではない。
ベルの嫌がらせだ。
部屋に侵入してまで、本当に良くやる。
「分かっていますよ、スクアーロ様」
「そ、そうか……」
この人は一応、ボンゴレの剣豪と呼ばれている人だ。
だがその中身を見てみれば、こんなにも弄られ役で苦労性。
そして不器用で、身内には結構優しい。
そして私は、この人が気に入っている。
ヴァリアーのメイドなんてどんなことになるかと思ったが、悪くない。
「だってベル様が予告していらっしゃったから」
「う"お"ぉい!それは止めておくべきだろぉ!?」
fin...
メイドさんからも、イメージが良さそうなスクアーロ。