夢-龍如-


□始まり。
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止めてくれ。
このドキドキを。




『え…、此処は何処?』
待って。
確か、私は山登りしてて…帰ろうとした時に岩に躓いて…。

そのまま…、転落したはず。


私は死んだの…?

何も知らない世界。
天国か地獄のかも分からない。


恐い、恐い、恐い。


『い…、嫌だ…』

名前は見知らぬ街(世界)に恐怖感を感じ震えながら言葉を漏らして、そのまましゃがみ込んだ。


「今晩は。君って高校生?可愛いね〜。俺達と遊ばない?」

黙れ。


名前の気持ちも知らない数人の男達が無神経にナンパして来た。


「そんな暗い顔して、彼氏と別れたの?俺達が慰めてあげるよ」

1人の男が名前の肩に腕を回した。

『離して。鬱陶しい』


冷たい口調で言えば冷たい眼で男を睨んだ。

ヤバい…。何、口に出してんの…。


「はぁ?、俺達が折角優しい気持ちで言ってやってんのに、それはねぇだろ」


名前の一言でその場の空気が変わった。


1人の男が殴って来――。





――あれ?


遅い。

丸で、亀がゆっくりと歩いてる様な速さだ。


名前は余裕で避けた。

避けた瞬間、速さが戻った。

「な!?、避けた!?」

男は自分の拳を避けられた事に驚いている。

でも、それ以上に驚いているのは私。

一瞬に自分の周りの重力が変わった。否、私の重力が変わった?


「な…、ナメんなよ!!」

その一言を合図に一気に数人の男が襲い掛かって来る。


でも、どの人も遅い。


私は、拳や鉄パイプ、ナイフを軽々と避けてそのまま鈍い男達を殴り、蹴った。


私は喧嘩なんて素人だ。


でも、この状況を見たら誰もがその事を'嘘'だと言うだろう。

何故なら、私の周りには血を流した男達が倒れ込んでいるから。


『嘘…。でしょ…?』

私がこの状況を1番信じてない。

「見事やァ。見とったで〜。嬢チャン、喧嘩強いんやなぁ。どうや?組に入らんか?」



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