其他

□何度でも。
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何度でも。


「断る。」

そう口に出したのは、私の目の前に居る御剣検事。

私のお願いを断られた。
そのお願いは――…。

『私は、貴方の下で働きたいんです…!』

あまりにも強引過ぎた。
御剣検事とは、其程関わりが無い。いや…、寧ろ全然無い。
私が一方的に知っているだけ。

そんな私を、自分の下で働かせたいなんて普通思わない。

「何度も言わせるな。私には要らん。だから違う所へ行って来い。」


御剣検事は早く太郎を追い返そうとした。其もそうだ。今、裁判が終わって疲れている所。

そんな中私が話し掛けた。


非常識と分かっていた。
けど、此の機会を逃したら次何時会えるか分からない。

私は、傍聴席で裁判を見ていた。其処で御剣検事の検事姿に惚れた。

何が良いのか、何処が格好良いとか分からない。
でも、あの様な検事になりたい。

『何で嫌なんですか!?』

「―――…。」

御剣検事は黙り込んだ。
質問に困っているのか、理由が無いから答えないのか。


御剣検事は返事しないまま立ち去ろうとした。私は、悔しさと悲しさの感情が入り混じっていた。


でも、諦めてはいない。


息を大きく吸って再び話し掛けようとした、――その時。


「次は、1ヶ月後高裁判所だ。」

『………。』

次は私が黙り込んでしまった。
と、言うより驚いて言葉が出なかった。

憧れと違う胸のときめきがした。でも、一瞬だけ。 勘違いだと直ぐ思った。


『…――はい。』


1ヶ月後だけじゃない。
何度でも貴方に会いに行く。




 

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