ずっと君と

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何も知らずに入ったうちが悪かったんかもしれない。

でもどこにも居場所のないうちにはあそこだけが居場所やった。




周りの女子からはうちがジャニーズ事務所におる事を理由に虐められ、

仲間であるはずのJr.には女子だから目立つうちを良く思わない奴も多い。



もうどうしたらええんやろか。

やめたら皆の気はおさまるんやろか。





憂鬱になって全てが上手くいかないうちを気遣ったんかな。

社長がうちを京都に連れていった。



何があるんかわからんくて結構嫌嫌やったけど、行って良かった。





その舞台の中心におる男子。
最初少し頼りないように見えたのはなんでやったんかな?

息を吸うのと同じに始まった舞台に引き込まれた。



一人めっちゃできとうやん…。


なんていうんかな
洗練された一つ一つの動き
自然と耳に入ってくる声



そしてオーラ。
自然と目で追ってまう、何か。




『ヤバい…、すごすき』

社「大野智っていうんだよ。知ってるでしょ?」


大野智って、あの大野くん?

知っとるよ。
前にダンス後ろで踊ったし。
顔はあんま知らんかったけど…

あの時もスゴいな思ったんやけど、今の方が全然ええやん。




大野くんて確かうちとあんま歳変わらんやろ?

でもこれだけ極められるんか…


ヤバい
うちもああなりたいかも



















『大野くん!』

O「うわぁっ!?」


楽屋の扉を開く。
あっ、皆さんお着替え中で。
みんなパン一やん(笑)

『感動しました!うちもああなりたいって!』

O「え?あ、うん。ありがと…。とりあえず、…出てって?」

『はいっ!外で待っときます!』


社長が止めるのも聞かずに突撃楽屋訪問した。

とにかくこの感動を伝えたくて。


久しぶりに何かに対して頑張ろう思ってん。

うちもあんな舞台したい。

そしたら何が必要なんやろ?




O「あー…あの?」

『お疲れ様です!舞台スゴく良かったです!』


楽屋から出てきた大野くんにまた挨拶。

自分テンション高いなぁ(笑)



『うちジャニーズに入って初めて目標持ちました!いつかあんな舞台したいって。どうやったら大野くんみたいになれますか?』

O「え…」


なんか大野くんポカーンとしとるなぁ。

やっぱりさっきとは雰囲気が全然違う。


社「ハハッ。由菜、この子困ってるよ」

『え?困っとんの?』


ポカーンとしとんやなくて?

てか社長いつのまに…。




O「‘由菜’…?…女子?」

『へ?』

社「やっぱり知らなかったんだね!桐谷由菜っていって、最近の注目株。」

O「女子がジャニーズ…?あれ?君ほんとに女?」


じーっと大野くんがうちを見てくる。

もしかしてこの人…

女のうちがジャニーズに入っとるのを嫌がる以前に、うちを女として認識してへんやん!


『れっきとした女やから!そりゃ今は髪の毛短くて男っぽいけど…』


サワッ


『!?!?!? おおお大野くん!?』

社「大胆だねぇ♪」


な、なんよいきなり!?
大野くんがうちの胸触ってきとう!?

なにこの状況!


うちはなんでこんな事されてんのかわからずに、けど大野くんは真剣な顔で手のひらを胸にあてながら…


O「でも胸ないし…」

『……………』


うちはアンタ殴ってええかな?
 
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