【桜乱】Short S

□節分改革
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 さて、2月の3日はなんの日か皆さんご存知ですよね?そうです節分です。

 この夜は鰯の頭を柊の小枝に刺したものを戸口に挟み、炒り豆をまいて悪鬼を払う習慣がある、そうです。辞書より。

 皆さんは今年豆まき、しましたか?豆、年の分食べましたか?豆まいた後、ちゃんとお掃除しましたか?ちゃんと片付けないと…G…ああぁ想像しただけで嫌。

 まぁそんなわけで、2月3日(執筆現時点で数日前ですが)桜乱メンバー7人が豆まきを行ったらー……という最早"もしもレベル"の説明になっていますが、ちょっとやらせたろ、というお話でございます。

 いや違うよ?短編系が0のままって寂しいなぁなんて思ってないよ?
 え?キャラフィールと零だけじゃ説明が足りないとこもがっつり入れるつもりだけど別にネタバレとか気にしないよ?だって零から読んでこれも読んでくれる方なんて数えるほどしk(以下略





 豆まき、というものがその7人の間でも恒例行事ということにしてだ。いや、本当は1人抜けたり2人抜けたりまだ描かれていない変態な人とかも混じる可能性もあるのだろうがここはあえて、7人揃って7人だけで豆まきをしてもらおう。

 ということにしてだ、「鬼は外ー」の“鬼役”がいなくては豆まきも何だか物足りないわけで決めるわけだ、鬼役を。

「さぁ、今年もやってまいりました!」
 リビングにてコピー用紙を丸めたメガホンで喋るのは、今日も元気ハツラツのあおい
「やってまいりました! ね! 節分! ……待った、もっかいやらせて。すー……っ、やってまいりました! ね! 節分っ!」
 テンションが無駄に高い。字的には“っ”の部分しか変化がないのに何故やり直したかというと、きっと1回目は個人的に気に入らなかったのだろう。
「わーい! 節分です!」
 1人ハイに突っ走るあおいに乗っかるように由佳利もはしゃぐ。
 その隣でソファーに座ったまま静かにパチパチと拍手をするのは瑠海。楽しい場でも気品を保ち、彼女なりに2人のテンションに乗っているようだ。
「そこまではしゃぐイベントでもなかと」
「まぁ、いいんじゃない? 楽しそうで」
 瑠海の反対側のソファーに座ってそんな会話をする美紗紀洸也。3人より少し年上の分、あおいたちのテンションよりは控えめで落差がある。

「ここで豆まき必須の“鬼”を決めたいと思いまーす! うぇーい!」
「うぇーい!」
「あぁー!」
 掛け声に混じって台所から何やら悲鳴が。
「何<シェンモ>?沙夜姉ぇ、葉ちゃんどうしたの?」
 悲鳴の主は葉一のようだ。美紗紀の質問に沙夜が応答する。
「あ、えっと、恵方巻きがー……」
 恵方巻きが、海苔からご飯やら具やらがはみ出てぐしゃぐしゃになっていた。
 二人は台所で豆まきの後に食べる恵方巻きを作っていたのだが、どうやら葉一が巻く時に力を入れすぎたようだ。
「は!? 何してん! ちゃんと食べれるモン作てよ!」
「うるさいな! ちょっとびっくりしたの!」
 何にびっくりしたし! と突っ込まれたが、“鬼”という単語にちょっとドキッとしたとは言えない。言えない設定ということで
「びっくりするほどあおの声大きかったかな?」
「最初から大きい……というかテンション高いけどね」
 洸也がぼそっと言ったすぐ後にまたすぐあおいが喋り出す。
「そうだ鬼役決めるんだった。ほら沙夜姉ぇも葉兄ぃもこっち来て! そのご臨終した太巻きはいいから」
 太巻き……、恵方巻きです。
「あおい。質問です」
「なんだね由佳利くん」
「鬼役さんはどうやって決めるです?」
「ここは公平に、葉兄ぃにやってもらおうかと思います。拍手!」
 わーーっ!
「お前公平の意味知ってるか!?」
 当然のリアクションである。確かにここは“公平に”じゃんけんなどが無難。
「ほぼ毎年そうだし、いでしょ? 別に」
 そう言いながら美紗紀はすでに豆を構えている。
「ちょっ待った! 唐突すぎだって! うぅ……洸也!」
 葉一はこの場で自分の唯一の味方であろう洸也を盾にする。背丈的にはあまり盾になっていないが。
「えっと、ほぼいつも葉一さんなわけだしさ、たまには違う人でもいいんじゃ……ないの?」
「じゃあ洸也、やる?」
 美紗紀、豆スタンバイ。洸也はゆっくり美紗紀たちの側について
「……葉一さん、ファイト」
「この裏切り者ッ!」
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