07.vol1
□-an eternal flower garden-
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コンコン
「フラ兄ちゃーん?」
こちらもフラウの部屋をノックしても返答がないのでこっそりドアを開けた。
ドアを開けると、既にフラウは起きていた。
「よ、おはよ、アユ」
「おはよ、フラ兄ちゃん。もう少し早く起こしに行けばよかったね、ゴメン…」
しりすぼみとなってしまったアユにフラウは否定した。
「んなコトねぇよ」
そして腕を広げてその中にアユを入れた。
「っで?」
「ん?何?フラ兄ちゃん」
「いつもの」
ニヤッと笑ったフラウの視線と少し驚いたアユの視線がぶつかった。
アユの驚いた顔はやがて頬が薄く朱に染まった。
そして、ゆっくり目を閉じ…―
ちゅっ
フラウの頬に触れるだけのキスをした。
「ありがとな、アユ」
「ううん、そんなことないよ」
アユは首を横に振った。
「あー。ずっとこうやって抱いていてぇよ…」
ぎゅっとアユを抱き締めればタイミングが悪くエレンの声が聞こえた。
「アユ、お兄ちゃん!ごはん出来ちゃったよ」
「へいへい、今行くよ。ったく、ちょうどいいときによぉ…」
悪態をつけ腕からアユを解放した。