With the frozen finger
□『悲しき瞳』
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「ラック......俺......お前のことが......」
『私もです、アリババ......』
「ええぇぇええ!?」
悲しき瞳
俺はラックを、永遠に愛し続けるつもりでいる。
何より俺達の間には、何も障害はないと思っていた。
「何があったんだ!」
『詳しいことを言う暇はないんです、早く逃げて!』
ラックが、奴隷商人に捕まった。
「お前は逃げないんだな」
顔を傾け俺は言う。
『......私にはもう鎖がついています......でもあなたはまだ間に合う!』
唇を噛んだ。
何も、してやれない。
何のために俺はいるんだ。
それすらも分からなくなった。
助けたかった。
だけど今の俺じゃ絶対に無理だろう。
。