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□『青』
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ラックは、膝で寝ているアラジンの髪を優しく撫でた。
青
もう無茶はして欲しくない。
その想いを胸に、アラジンの額に浮かんでいた汗を拭う。
「ホント、アラジンって不思議だよな…………」
首を傾げながらアリババが言う。
アリババはまだ、アラジンのことを全く知らない。
そう思うのも当たり前だった。
――アラジンのことを知ってるあたしでさえも、不思議だと思うけど
ぴちゃんと水が滴る音がした。
途切れた会話を補うように、水の音が響き渡った。
ふとアリババを見ると、こちらをじっと見ていた。
訳が分からずラックは顔を顰める。
「そういやラックも不思議だよな!人間離れしてるっていうかよ。まぁ、美人ってのもあるんだけど。
そんな純粋な黒髪初めて見たぜ、俺」
『そうかしら』
ラックは艶やかに髪をかきあげてみせた。
。