□『青』
1ページ/2ページ













ラックは、膝で寝ているアラジンの髪を優しく撫でた。


































もう無茶はして欲しくない。

その想いを胸に、アラジンの額に浮かんでいた汗を拭う。




「ホント、アラジンって不思議だよな…………」




首を傾げながらアリババが言う。


アリババはまだ、アラジンのことを全く知らない。

そう思うのも当たり前だった。




――アラジンのことを知ってるあたしでさえも、不思議だと思うけど




ぴちゃんと水が滴る音がした。


途切れた会話を補うように、水の音が響き渡った。




ふとアリババを見ると、こちらをじっと見ていた。

訳が分からずラックは顔を顰める。




「そういやラックも不思議だよな!人間離れしてるっていうかよ。まぁ、美人ってのもあるんだけど。

そんな純粋な黒髪初めて見たぜ、俺」

『そうかしら』




ラックは艶やかに髪をかきあげてみせた。


















次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ